2001 Fiscal Year Annual Research Report
分裂組織からの器官分化過程におけるシスタチオニンγ-シンターゼmRNA安定性制御
Project/Area Number |
13017201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾之内 均 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (50322839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 哲 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20164105)
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Keywords | シスタチオニンγ-シンターゼ / mRNA安定性 / メチオニン / S-アデノシルメチオニン / シロイヌナズナ / in vitro翻訳系 |
Research Abstract |
シスタチオニンγ-シンターゼ(CGS) mRNAの安定性制御機構を解明する目的で、この制御のエフェクター分子の同定を行った。小麦胚芽由来のin vitro翻訳系を用いたアッセイによって、メチオニンの代謝産物についてエフェクターとしての効果を調べたところ、S-アデノシルメチオニン(SAM)のみが効果を示し、SAMがCGS mRNA安定性制御のエフェクター分子であることが強く示唆された。また、SAMを基質とするメチル基転位酵素の競争阻害剤であるS-アデノシルホモシステインは、SAMの効果を阻害しなかった。このことから、SAMの効果はメチル基転位反応によるものではないことが示唆された。 また、SAMのアナログについても、同じin vitroアッセイを用いて、CGS mRNA安定性制御のエフェクターとしての効果を調べた。その結果、SAMのメチル基をエチル基に置換したS-アデノシルエチオニン(SAE)も、SAMと同様の効果を示した。一方、SAMからメチル基を除いたS-アデノシルホモシステインは効果を示さなかった。したがって、SAMとSAEに共通する構造的特徴あるいは硫黄原子にアルキル基が付加することによって生じる正電荷が重要である可能性が考えられる。 また、in vitro翻訳系を用いて、翻訳反応後のRNA分解中間体の解析を行った。これまでにin vivoの実験系でみられたのと同様の5'側を400塩基ほど欠いたRNAがノーザン解析により検出され、また、5'側領域のハイブリッドセレクションにより、350塩基程度の短いRNAがSAM存在下で特異的に検出された。これらの結果から、エンドリボヌクレアーゼがこの制御に関与することが示唆される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Akinori Suzuki: "The first exon coding region or cystathionine γ-synthase gene is necessary and sufficient for downregulation of its own mRNA accumulation in transgenic Arabidopsis thaliana"Plant and Cell Physioly. 42(10). 1174-1180 (2001)
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[Publications] Paula Suarez-Lopez: "CONSTANS mediates between the circadian click and the control of flowering in Arabidopsis"Nature. 410(6832). 1116-1120 (2001)
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[Publications] Kazuhiro Tanaka: "A subtilisin-like serine protease is required for epidermal surface formation in Arabidopsis embryos and juvenile plants"Development. 28(23). 4681-4689 (2001)
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[Publications] Endang Semiarti: "The transposition pattern of the AC element in tobacco cultured cells"Genes & Genetic Systems. 76(2). 131-139 (2001)