2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13018207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉藤 明 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (80170489)
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Keywords | シャーンティデーヴァ / 『入菩薩行論』 / 『学処集成』 / 『入菩薩行論の要義』 / 11の主要義 |
Research Abstract |
敦煌本『入菩薩行論』は、シャーンティデーヴァ(690-750頃)の主著『入菩薩(菩提)行論』の最初期の形態を伝承するもので、現在では、敦煌出土のチベット語文献の中にのみ-チベット語訳として-その存在が確認されている。 研究代表者は、この2年間、同論に関係して、シャンーティデーヴァとアクシャヤマティという著者名の相違とその背景に関する問題、シャーンティデーヴァによる別の著作である『学処集成』と同論の関係、ならびにアティシャの師であるスヴァルナドヴィーパのダルマパーラが集成した『入菩薩行論の要義』の検討を中心に研究を進めた。これらの研究成果は、いずれも個別の論文の形で公表し、また調整班(B02)がとりまとめる研究成果報告書には、2年間に及ぶ当該研究の主要な成果を収めた。 以上の研究を通して、以下の諸点を解明することができた。(1)シャーンティデーヴァは元来、『入菩薩行論」の初期本の著者として、アクシャヤマティの名でられ、後に『学処集成』の著者名であるシャーンティデーヴァと同一人物であるとして、後者の名が共通して用いられることになった。(2)両論の成立順序および年代は、初期本・9章立て『入菩薩行論』(8C前半頃)→『学処集成』(8C後半頃)→現行本・10章立て『入菩薩(菩提)行論』(9C頃)と推定される。(3)ダルマパーラが集成した『入菩薩行論の要義』は、本来『入菩薩行論の11主要義』が相応しく、また従来の研究では未解明であった11の主要義の内容は、アティシャ作の『入菩薩行論注釈』の検討を通して明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 斉藤 明: "Bodhi (sattva) cavyarataraとSiksasamuccaya"印度哲学仏教学研究. 16. 326-353 (2001)
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[Publications] 斉藤 明: "アクシャヤマティとシャーンティデーヴァ"木村清孝博士還暦記念論集-東アジア仏教-その成立と展開. 533-551 (2002)
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[Publications] 斉藤 明: "セルリンパ作『入菩薩行論の要義』とその思想"仏教の修行法. 406-372 (2002)
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[Publications] 斉藤 明: "セルリンパの秘説「11の主要義」とは何か"日本西蔵学会々報. 49. 11 (2003)
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[Publications] 斉藤 明: "『無畏論』の著者と成立に関する諸問題"印度学仏教学研究. 51・2. 7 (2003)