2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13020211
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
古井 貞熙 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90293076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 幸夫 東京工業大学, 留学生センター, 教授 (80313378)
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Keywords | 日本語自立学習システム / 音声認識 / 発音誤り検出 / 日本語音素モデル |
Research Abstract |
本研究では外国人学習者を対象とした日本語自律学習システムの開発を目的とし,音声認識技術を利用した発音誤りの検出・指摘手法の提案とその性能の検証を行った. 高精度に発音誤りの指摘を実現するためには,学習者の母語を把握し,その音素体系・誤りの傾向を把握しておくことが重要である.しかし,多種多様な国・地域の外国人学習者を対象に考えると,あらゆる母語種に応じて,音素体系や誤り傾向を反映したシステムを構築することは大きな労力が必要であり,また,多くの言語については音素モデルを学習するための大量の音声データが不十分であるのが現状である.そこで,日本語の音素体系と音素モデルのみを用いた音素認識器による発音誤り検出・指摘手法を提案した.入力された音声に対して音素認識を行い,その結果と正解音素系列とをDPマッチングによって比較することで,音素の置換・脱落誤りを検出するものである.なお,誤り検出・指摘の対象としたのは,撥音・促音を除く子音である. 20名の日本語非母語話者による日本語単語発声データについて,発音誤り音素の検出・指摘実験を行った.日本語の音節構造を考慮し音素並びの制約を設けた音素認識を行うことで,指摘対象となる音素の認識率(正解率)は約73%となった.発音誤りの検出性能は,誤検出率24.1%,検出失敗率28.6%となった.また,対象となった音素がどの音素に置き換わるかといった傾向を中国語・ベトナム語・スペイン語母語話者の各発声データを元に調べ,その置き換わりの傾向に従って,提案手法が音素の置き換わりをどの程度指摘できるかを検証した.その結果,約68.5%の精度で「正しい発声である/誤りやすい音素への置換である/それ以外の音素への置換である」という指摘が可能であることが示された.
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