2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13021228
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
岸田 文隆 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (30251870)
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Keywords | 満洲本 / 目録 / 書誌学 |
Research Abstract |
申請者は、従来満洲語学の研究資料として満洲本を利用してきたが、そのための前段階の作業として当該満洲本の素性を明かにする作業、資料批判をおこなうことが必要不可欠であることを痛感し、満洲本の書誌学的研究にも意を用いてきた。日本所在満洲本および中国(北京図書館など)、ロシア(東方学研究所サンクトペテルブルグ支所)など海外所在満洲本の調査を手がける一方、申請者の勤務する大阪外国語大学所蔵満洲本の目録作成のための準備をおこなってきた。平成13年度と平成14年度には特定領域研究の東アジア出版文化「満洲本ユニオンカタログ作成のための基礎的研究」の研究補助金を受け、既存の満洲本目録類を比較検討し、書誌データ収集における問題点の洗い出す作業をおこないつつ、大阪外国語大学所蔵満洲本の書誌データ収集作業に着手したが、今年度は、この過去2年間に実施した研究の成果をふまえ、大阪外国語大学所蔵満洲本の書誌データ収集作業を継続し、おおむね全所蔵満洲本の7割程度のデータ収集を完了するに至った。目下、最終年度である来年度に全データ収集を完了、目録を完成すべく、作業をおこなっているところである。今年度の作業実施中におりしも満洲語辞書の「御製清文鑑」と「増訂清文鑑」の版本問題が学界で話題となり、従来単一の版しかないと信じられてきた該書に実はいくつかの異本が存在することが明らかとなった。その際に日本所在本に関する書誌データの提供を求められたが、その要求にこたえることができたことは幸いであった。
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