2002 Fiscal Year Annual Research Report
写本から版本へ:チベット文献における書写様式の推移
Project/Area Number |
13021235
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
武内 紹人 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10171612)
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Keywords | 言語学 / 外国語 / チベット語 / 中央アジア / 敦煌 / 西夏 / 社会学語学 / シルクロード |
Research Abstract |
2002年度は前年度に引き続き、大英図書館において、本研究の主対象であるカラホト・エチンゴル出土チベット語文書と関連文献であるチベット語木簡(基盤研究の主対象)の調査研究をおこなった。その研究成果は、つぎのようにまとめられる。 1.カラホト・エチンゴル出土チベット語文書の調査研究 チベット文献史における写本・木簡から版本への推移過程の研究にとって最も重要なこの文献群について、大英図書館での調査を継続しておこなった。全文書の文書番号・site numberという基本情報の上に各文書の様式・内容・書式・時代・テキストの読みを記入し、分類とデータベース化を進めた。2002年度に3分の1の文書の調査が終わり今後継続する予定。 2.中央アジア出土チベット語木簡の調査研究 1昨年から今年度にいたる調査によって、チベット語木簡の特徴・使用方法・使用環境・社会言語学的背景などが明らかになってきた。木簡自体は、別科研の対象であるが、その研究成果は本科研とも有機的に結びつき、本科研への重要な貢献となる。 3.フランス図書館所蔵の彜語文献の調査研究 研究協力者岩佐氏により、昨年の大英図書館に引き続き、フランス国立図書館所蔵の彜語文献の調査と整理が行われ、データベース化の基礎作業が完了した。今後、更に調査を進めると同時に、ベトナムなどの彜語文献の調査も遂行することによって、彜語文献の全体像がはじめて明らかになることが期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tsuguhito Takeuchi: "The Tibetan Language and Tibetan Texts from the end of Tibetan Domination over East Turkestan"Turfan Revisited (Berlin). (2004)
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[Publications] 武内紹人: "帰義軍期から西夏時代のチベット語文書とチベット語使用"東方学. 104. 106-124 (2002)
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[Publications] Alex McKay: "History of Tibet"Brill(オランダ). (2004)