2001 Fiscal Year Annual Research Report
筋細胞における細胞骨格分子シンクロナイゼーションによる構造・機能・遺伝子発現連関-細胞骨格分子シャペロンを鍵因子として-
Project/Area Number |
13022213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
跡見 順子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90125972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
政二 慶 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (30282510)
新井 秀明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60313160)
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Keywords | 初代心筋培養細胞 / GFP-aB-crystallin / 細胞骨格 / ストレスタンパク質 / シャペロン / 筋収縮 / 横紋 / 微小管 |
Research Abstract |
ミオシンとアクチンの相互作用により生まれる'運動'をシステマテックな張力発揮構造に再構成し、かつ遺伝子発現系と連動させるためには、細胞の情報システムであるDNA-遺伝子発現系と細胞の形態的な構造基幹システムである細胞骨格系をシンクロナイゼーションさせる必要がある。さらに心筋や赤筋のような運動を恒常的に維持する組織の細胞では関連するタンパク質のケアシャペロンシステムが必須である。本研究では、構成的に発現しているシャペロンタンパク質αB-crystallinが、動的な収縮活動と同期して機能している可能性を探った。すなわちGFP-αB-crystallinを新生児ラット心筋から培養した初代心筋細胞に発現させ、αB-crystallinを可視化し、タイプラプス撮影し、動的な収縮によりαB-crystallinが横紋を形成することを世界で始めて示すことができた。共焦点レーザー顕微鏡でGFP-αB-crystallinの局在を調べたところ筋原線維が密な中央部には少なく、細胞膜直下で横紋を形成することが示された。微小管や中間径フィラメントの様な細胞骨格も同様に筋原線維の方向と直角及び並行に筋原線維をまとめかつ取り巻くように配置し、同時に細胞の極性を維持し、かつ細胞膜に固定するような配置が見られた。GFP-αB-crystallinもこれらの細胞骨格と類似の局在を示した。これらのことから、αB-crystallinは細胞骨格及び細胞の膜系と連動し、収縮という機械的ストレスのシャペロンとして収縮に伴い生ずるタンパク質の変性やタンパク質の重合・脱重合などの動的な安定性の持続を可能にしていると考えられる。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] 跡見順子: "生命科学から考える運動の意義-動物細胞の本質と運動の本質・"ダイナミクス"の意味-"第8回日本運動生理学会/第16回日本バイメカニクス学会合同学会大会大阪2000論集. 136-145 (2001)
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[Publications] 跡見順子: "自分の身体の「理^^<ことわり>」を理解するスポ-ツ・身体運動 サイエンスコース授業のこころみ -ヒュ-マンサイエンスの基盤としての動く動物としてのヒトと、脳と一体の身体の理解をめざす-"大学体育. 74. 119-126 (2001)
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[Publications] 跡見順子: "身体と運動-身体がいのちと脳をはぐくむ-"東京女子大学学会ニュース. 123. 875-876 (2001)
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[Publications] Murakami, S., Homma, K., Atomi, Y.: "Dynamic Response to Mechanical Stimulation In Myoblasts"JSME International Journal Series C. 44. 920-927 (2001)
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[Publications] 跡見順子: "遺伝子に対する運動の影響 〜生きていること・運動していることは絶え間ない遺伝子への働きかけである〜"体育の科学. 51. 694-703 (2001)
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[Publications] 跡見順子: "「細胞から個体まで考える体育教育研究を目指す」-骨・骨格筋・血管をつくる細胞の運動刺激への応答と適応の機構-"日本体育学会. 3. 12-13 (2001)
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[Publications] 跡見順子, 大戸恵理, 藤田義信, 田中幹人, 寺田尚史: "GFP-融合タンパク質を利用した細胞及び細胞骨格の可視化とダイナミクス"宇宙利用シンポジウム. 17. 182-185 (2001)
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[Publications] 跡見順子, 藤田義信, 田中幹人, 大戸恵理, 新井秀明: "チューブリン・微小管ダイナミクスとαB-クリスタリン"宇宙生物科学. 15. 206-207 (2001)
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[Publications] Y.Atomi, Y.Fujita: "αB-Crystallin associates with microtubules/tubulin and increases to MT stability in moblast and glioma cells"Mol.Biol.Cell. 12. 47a (2001)
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[Publications] 播元雅美, 跡見順子: "成熟脂肪細胞とI型コラーゲン線維との相互作用"運動生化学. 11/12. 47-48 (2001)
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[Publications] 田中幹人, 跡見順子: "αB-クリスタリン発現制御細胞の様態"運動生化学. 11/12. 49-52 (2001)
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[Publications] 大戸恵理, 藤田義信, 跡見順子: "チューブリン凝集抑制効果に関するαB-クリスタリンドメインの検討"運動生化学. 11/12. 53-56 (2001)
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[Publications] 跡見順子: "連載 生命科学から見るスポーツ「エアロビクスの不思議[前編]」月刊スポーツメディスン30号"ブックハウス・エイチディ. 5(52) (2001)
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[Publications] 跡見順子: "連載 生命科学から見るスポーツ「エアロビクスの不思議[中編]」月刊スポーツメディスン31号"ブックハウス・エイチディ. 5(52) (2001)
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[Publications] 跡見順子: "「100年を生きるための脳と身体を育てる」 科学 Vol.71 No.6"岩波書店. 4(854) (2001)
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[Publications] 跡見順子: "連載 生命科学から見るスポーツ「エアロビクスの不思議[後編]」月刊スポーツメディスン32号"ブックハウス・エイチディ. 5(52) (2001)
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[Publications] 跡見順子: "連載 生命科学から見るスポーツ「エアロビクスの不思議[完結編]」月刊スポーツメディスン33号"ブックハウス・エイチディ. 4(52) (2001)
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[Publications] 大野秀樹, 井澤鉄也, 長澤純一, 伏木亨, 跡見順子, 佐藤祐造, 芳賀脩光 編著: "運動生理・生化学事典"大修館書店. 525 (2001)
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[Publications] 跡見順子: "連載 生命科学から見るスポーツ「ストレスその1ストレスを論じる前に」月刊スポーツメディスン38号"ブックハウス・エイチデイ. 4(52) (2002)