2002 Fiscal Year Annual Research Report
フォトクロミズムにシンクロナイズしたキラル情報の可逆制御
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13022224
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
横山 泰 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60134897)
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Keywords | 光スイッチ / フォトクロミズム / ジアリールエテン / ヘリセン / ジアステレオ選択性 / 非破壊読み出し |
Research Abstract |
昨年度,光による6π系電子環状反応によって環化・開環するビスベンゾチエニルエテンの環化反応をジアステレオ選択的に行うには,一方のベンゾチオフェンのメチル基の上に三つの異なる置換基を導入することによって生ずるアリリックストレインを用いることが有効であることを示した。しかし,そのフォトクロミズムによって変化する旋光度変化の値は,約90°であり,それ程大きくなかった。 今年度,旋光度変化を大きくするために,ジアリールエテン骨格にヘリセンを導入した化合物を設計し,合成した。この化合物の開環体は連続した四つのアリール基がヘキサフルオロシクロペンテン環に二つ結合しており,光環化によってその八つの芳香環がシクロヘキサジエン環をはさんで結合し,ジヒドロノナヘリセンの骨格が生じる化合物を合成した。光環化後光学分割し,その比旋光度の値を測定したところ,トルエン中633nmにおいて-4510°と非常に大きいことがわかった。 次に,上記のヘリセン型化合物の環化を,上記のアリリックストレインを用いて立体制御することを試みた。四つの連続した芳香環と,3位に1-メトキシメトキシエチル基を持つベンゾチオフェンをヘキサフルオロシクロペンテンに結合させ,光学分割後光環化を行うと,酢酸エチル中589nmにおける比旋光度の値は,光反応によって生じた光定常状態では-1374°,開環体では-69°と,約1300°の可逆変化を起こした。この変化は,この概念を光記録材料の非破壊読み出しに応用するのに十分な大きさである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Yokoyama, H.Nagashima, S.M.Shrestha, Y.Yakoyama, K.Takada: "Synthesis of Novel Thermally Reversible Photochromic Spiro[adamantane-2,7'(6'H)-benzothiophene]"Bull. Chem. Soc. Jpn.. 76(2). 355-361 (2003)
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[Publications] S.M.Shrestha, H.Nagashima, Y.Yokoyama, Y.Yokoyama: "Snthesis of Novel Thermally lrreversible Photochromic 1-Aryl-1,3-butadiene Derivatives"Bull. Chem. Soc. Jpn.. 76(2). 363-367 (2003)
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[Publications] Y.Yokoyama, M.Kose(分担執筆): "Handbook of Organic Photochemistry and Photobiology, 2nd Ed."CRC Press, Inc.. 2500 (2003)