2001 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロニング機能を有する分子シンクロシステムの構築
Project/Area Number |
13022233
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秋吉 一成 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90201285)
|
Keywords | 分子シャペロン / 分子シンクロ / 人工分子シャペロン / ナノゲル / 疎水化多糖 / シクロデキストリン / タンパク質のリフォールディング / DNAの二重鎖形成 |
Research Abstract |
本研究では、蛋白質や核酸などの生体高分子の高次構造形成を助ける機能を有する高分子システムを構築して、バイオテクノロジー分野での応用展開を行うことを目的としている。具体的には、タンパク質(ゲスト)を選択的に認識しえるホストとして機能性ナノゲルを設計し、分子シャペロンと類似の機構でタンパク質や核酸の高次構造形成を助けるシステムの構築を目指している。疎水化多糖とシクロデキストリンからなる人工分子シャペロン系が、モノマー酵素である炭酸脱水素酵素(CAB)の熱変性、塩酸ブアニジン変性に対して、シャペロニング作用を示すことを報告してきた。本年度は、ヘム酵素であるペルオキシダーゼ(HRP)および2量体酵素であるクエン酸シンターゼ(CS)について検討し、いずれの系でも本システムが高いシャペロン作用を示すことが明らかになった。また、このシャペロン活性は、エフェクター分子として作用するシクロデキストリンの種類により大きく変化することがわかった。 次に、DNAの構造変換や会合を助けるシステムの構築の一環として、DNAと疎水化多糖ナノゲル微粒子の相互作用、および二重鎖形成の制御について検討した。アミノ基を導入した疎水化プルランを新たに合成した。この疎水化多糖もナノ微粒子を形成し、一本鎖DNA、二本鎖DNAおよびプラスミドと効率よく相互作用しえ、複合体微粒子を形成することが明らかになった。また、シクロデキストリンをエフェクター分子としてDNAの二重鎖形成を制御しえることが分かった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] K.Akiyoshi: "Controlled Association between Amphiphilic Polymers and Enzyne by Cyclodextrins in Heat Deratured Process: Artificial Molenlar Chaperone"Studies in Surface Science and Catalysis. 132. 89-92 (2001)
-
[Publications] 秋吉 一成: "疎水化多糖-インスリン複合体ナノ微粒子とタンパク質との相互作用-高分子のホスト-ゲスト相互作用"高分子論文集. 58. 209-212 (2001)
-
[Publications] 秋吉 一成: "自己組織化多糖ナノゲル微粒子の設計と機能"化学総説、糖鎖分子の設計と生理機能. 48. 79-85 (2001)
-
[Publications] 秋吉 一成: "分子シャペロン-高分子の構造形成と季換を制御する動的分子システム"化学フロンティア、生命化学のニューセントラルドグマ. 160-170 (2002)