2001 Fiscal Year Annual Research Report
膜外シグナルによる膜内ペプチドの会合調節を利用した膜電流制御システムの構築
Project/Area Number |
13022234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
二木 史朗 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50199402)
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Keywords | 人工イオンチャネル / アラメチシン / 人工レセプター / 合成ペプチド / 膜外構造スイッチ / α-ヘリックス / 人工センサー / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
膜外構造スイッチによる膜電流調節:イオンチャネルペプチド、アラメチシンに適当な膜外配列を導入することにより、膜外構造の相違が膜電流に反映できることを示した。また、外界からの刺激に呼応して膜外構造が変化する系として、互いにヘリックス一巻き分離れた位置となるように二つのN^ε,N^ε-ビス(カルボキシメチル)リジンを配置し、Baldwinらのヘリックスペプチドをもとに人工的にデザインしたペプチド、および、亜鉛フィンガー蛋白質Sp1由来ペプチドが有望であることを見いだした。また、N^ε,N^ε-ビス(カルボキシメチル)リジン含有ペプチドの簡易合成法を新たに開発した。さらに、これらのヘリックスを膜外配列として持つアラメチシン誘導体の合成に成功し、現在、そのチャネル活性を検討中である。 膜界面における相互認識とチャネル電流:タンパク質などのリガンドの存在、あるいは膜界面におけるタンパク質問の相互認識をチャネル電流変化として捉える系の開発を目指して、アラメチシンのC末端側にビオチンを導入したハイブリッドペプチドを合成した。電解質にストレプトアビジンを添加することにより、これらのチャネル電流は、添加後、数分で顕著に抑制されることが分かった。また、電解質にビオチンヒドラジドを添加することにより、電流レベルほぼ元のレベルに復帰した。更に一般的な系として、ヤギ由来のビオチンに対する抗体を系に添加したときも、添加後、数分でチャネル電流は顕著に抑制された。以上の結果は、20残基あまりのチャネルペプチドの機能化により、解離定数が10^<-9>M程度の特異的なタンパク質間の相互作用をリアルタイムで感知可能な系が創出できたことを示している。今後、これらの知見をもとに、さらに高機能の人工レセプター、人工イオンチャネル系の創出を行いたい。
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