2001 Fiscal Year Annual Research Report
光感応性分子を層内に含むスメクチック液晶自己保持超薄膜を用いた光同期分子膜の創製
Project/Area Number |
13022242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 雅則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50204186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 彰彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80304020)
吉野 勝美 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70029205)
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Keywords | 液晶 / 自己保持膜 / スメクチック液晶 / 光感応性分子 / 転写膜 / 超薄膜 / 層構造 |
Research Abstract |
本研究では、元々顕著な協同現象を発現する液晶を、周囲からの強制力が弱くさらに興味深い分子の協力現象が発現する自己保持超薄膜、あるいは、それを固体基板上に転写した液晶転写薄膜のような系に置き、さらに、光感応性の分子を導入することにより、光刺激と液晶分子薄膜内の協同現象とをシンクロさせることにより、情報の伝達、増幅、記録媒体として応用できる可能性を探求した。さらに、異なった性質のスメクチック液晶を分子レベルで積層する「ヘテロ液晶積層薄膜」の概念を提案し、スメクチック層ごとに機能を分担させ、光-情報変換・増幅などの機能を有する分子膜の創製を目指して研究を行ってきた。本年度で得られた主要な成果は以下の通りである。 異なった種類の液晶を積層するにあたって、その予備実験として、高分子液晶を有機溶媒に溶かした溶液状態から、スピンコート法にてスメクチック層がガラス基板に平行な良好なホメオトロピック配向膜を得、さらにその上に、低分子スメクチック液晶自己保持薄膜を転写することによりヘテロ液晶積層薄膜を実現した。この積層薄膜の層構造をX線回折測定により解析した結果、積層薄膜内でそれぞれの液晶層の層構造は独立にかつ安定に保たれていることが明らかとなった。さらに、二つの液晶層間では二つの液晶の混合相からなる層構造が確認されたが、これは転写時の衝撃により発生したものであり、時間の経過によってもその混合領域は拡大しておらず、低分子液晶と高分子液晶との積層構造はお互いに拡散することなく安定に存在することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)