2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症抑制活性を有するゾアンタミン類の全合成と標的受容体の探索
Project/Area Number |
13024209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大栗 博毅 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80311546)
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Keywords | ゾアンタミン / 骨粗鬆症 / 溝呂木-Heck反応 / 四級炭素 / ヨウ化サマリウム / エストロゲン受容体 / IL-6 / シモンズ-スミス反応 |
Research Abstract |
珊瑚礁に群生するスナギンチャクから単離されたゾアンタミンは、抗炎症活性を有する海産アルカロイドである。上村、倉本らにより、同族のノルゾアンタミンが、骨粗髪症モデルマウスに対して優れた骨吸収抑制活性を示し、かつ、副作用がほとんどないことが報告された。骨に対しての作用メカニズムは不明だが、極めて興味深い。 【全合成研究】ゾアンタミン類の標的受容体探索を視野に入れて、ゾアンテノールの全合成研究を進めた。鍵工程とした分子内溝呂木-Heck反応は立体障害が大きく、収率の改善が課題であった。検討の末、エノンとした基質で閉環させると、収率が大幅に向上することを見出した。また、ヨウ化サマリウムを用いたシクロプロパン化により9位メチルを導入し、難関であった近接四級炭素(9,12,22位)の立体選択的構築に成功した。二重結合を酸化開裂後、C1-C5ユニットと連結した。ごく最近、アミノアセタール、ラクトンを連続環化させ、ゾアンテノールの官能基を全て導入した中間体の合成に成功した。全合成達成を目指し、鋭意検討中である。 【IL-6活性阻害】北里研究所の林と共同で、ゾアンタミン類(上村より供与)、合成したABC環部、CDEFG環部等について、IL-6依存性MH60細胞によるアッセイを検討した。IL-6活性阻害にはCDEFG環部を塩酸塩とした構造が必須である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] G.Hirai, H.Oguri, S.M.Moharram, K.Koyama, M.Hirama: "Convergent synthesis of the ABC-ring moiety of zoanthenol : intramolecular Mizoroki-Heck reaction"Tetrahedron Letters. 42. 5783-5787 (2001)