2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13024213
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐竹 真幸 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (90261495)
|
Keywords | P.parvum / 鎖状構造 / ポリエーテル / プリムネシン / NMR |
Research Abstract |
ハプト藻Prymnesium parvumが生産する魚毒・溶血成分プリムネシンの側鎖74位から85位の連続した水酸基の立体配置の決定には^1H-^<13>Cの遠隔相関NMRスペクトルの解析が必要であったが、藻体から得られるプリムネシの量が少ないため、解析可能なスペクトルを測定するためには、分子内^<13>C濃度を上昇させる必要があった。まず、^<13>C-CO_2通気培養と^<13>C-Na_2CO_3添加培養を行い、^<13>Cの分子内取り込み率を比較した。その結果、藻体全体に対する^<13>C-CO_2通気培養時の取り込み率は、4.7%であった。一方^<13>C-Na_2CO_3添加培養の取り込み率は、3.7%であった取り込み率は若干低かったが、培養方法の容易であった^<13>C-Na_2CO_3添加培養を300L行った。^<13>C-Na_2CO_3は、海水培地に対して50mg/Lの濃度で添加した。プリムネシンは、非常に溶解性が限られ、プロパノールなど一部の溶媒にしか溶解しない。プリムネシンの溶解性を向上させ、大量処理を行えるように、精製途中で完全アセチル化反応を行い、精製を進めた。最終的に4.9mgの完全アセチル化プリムネシン-2を単離して、NMRスペクトル測定に供した。^1H-^<13>Cの遠隔相関を検出できるHETLOCやNOESY、HMBCスペクトルの測定を行い、スペクトルを解析したところ、83位の立体配置を除く、76位-82位、84位-85位の立体配置決定に成功した。
|