2001 Fiscal Year Annual Research Report
海綿由来イソプレノイド誘導体、ステレッタマイドファミリーの生理活性作用
Project/Area Number |
13024224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唐木 英明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60011912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70211547)
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
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Keywords | カルモジュリン / ステレッタマイド / Caチャンネル / イソプレノイド / 構造活性相関 |
Research Abstract |
Stellettamide-A(ST-A)は、海綿Stelletta sp.由来の生理活性物質である。1997年、当研究室でカルモジュリン(CaM)阻害作用を持つことを見い出した。近年、複数のST-A誘導体の化学構造が決定され、「stelletta-alkaloid-family」(ST-family)を形成していることが明らかとなった。ST-familyは、疎水性の高いイソプレノイド鎖とカチオン性窒素を持つアルカロイド部位(環状または鎖状)が、アミド結合によって連結された基本構造を持つ。アミド結合をはさんだ両部位の特徴によって、ST-familyは以下のように分類できる。 イソプレノイド鎖の長さ:ST-A=ST-C > STD-A=ST-B アルカロィド部位の電荷数:STD-A > ST-B=ST-A=ST-C 他方、ST-Aと同様のイソプレノイド鎖を持つ生体内物質farnesolがL型Ca^<2+>チャネル阻害作用を持つことが近年報告されている。 本研究は、ST-familyの構造活性相関を明らかにすることを目的として、CaM・チロシン蛍光、CaM依存性酵素であるホスホジエステラーゼ(PDE)とミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)の酵素活性を指標として、ST-familyならびに類似の側鎖構造を持つ生理活性物質farnesolの作用を比較検討し、以下の知見を得た。1)CaMが標的酵素と結合する「結合段階」について、CaM・チロシン蛍光を指標として検討したところ、チロシン蛍光の抑制の序列は「STD-A=ST-B>ST-A>>ST-C=farnesol」であった。この結果から、「結合段階」に対する阻害作用には、ST-familyのイソプレノイド鎖の長さとイソプレノイド鎖-アルカロイド部位の立体配置が重要であることが示唆された。2)CaM依存性酵素の「活性化段階」に対する阻害作用を、PDE活性とMLCK活性を指標として検討したところ、阻害の序列は「STD-A>ST-A=ST-B>>ST-C>>farnesol」であった。この結果から、「活性化段階」に対する阻害作用には、ST-familyが持つアルカロイド部位の電荷数とイソプレノイド鎖-アルカロイド部位の立体配置が重要であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Oka, K.Sato, M.Hori, H.Ozaki, H.Karaki: "Xestospongin C, a novel blocker of IP3 receptor, attenuates the increase in cytosolic calcium level and degranulation that is induced by antigen in RBL-2H3 mast cells"Br. J. Pharmacol.. (印刷中). (2002)
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[Publications] K.Sato, K.Horibe, K.Amano, M.Mitusi-Saito, M.Hori, S.Matsunaga, N.Fusetani, H.Ozaki, H.Karaki: "Membrane permeabilization induced by discodermin A, a novel marine bioactive peptide"Toxicon. 39. 259-264 (2001)
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[Publications] S.Miyamoto, M.Izumi, M.Hori, M.Kobayashi, H.Ozaki, H.Karaki: "Xestospongin C, a selective and membrane-permeable inhibitor of IP3 receptor, attenuates the positive inotropic effect of a-adrenergic stimulation in guinea-pig papillary muscle"Br. J. Pharmacol.. 130. 650-654 (2000)