2002 Fiscal Year Annual Research Report
発がんプロモーションのメカニズム解明のための鍵化合物の開発と応用
Project/Area Number |
13024245
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入江 一浩 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00168535)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 尚亮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (60178499)
|
Keywords | ホルボールエステル / プロテインキナーゼC / 発がんプロモーター / インドラクタム / システインリッチドメイン / コンホメーション |
Research Abstract |
発がんプロモーションにおけるプロテインキナーゼC(PKC)の役割を解明し、制がんに応用する目的で、発がんプロモーションへの関与が指摘されているnovel PKCアイソザイム(δ,ε,η,θ)に選択的に結合する薬剤の開発を行なった。放線菌の産生する(-)-indolactam-V(IL-V)が、リード化合物として有望であること、またIL-Vの9員環ラクタムのアミド水素の認識能がアイソザイム間で異なる可能性があることから、本アミド結合をシス型、トランス型にそれぞれ固定した新規アナログ(1および2)を合成し、それらのPKCアイソザイム結合選択性を評価した。IL-Vの9員環ラクタムのアミド結合は、シスおよびトランスの平衡状態にある。そこで、環の歪みを増大したり、13位メチル基の方向性を制御することにより、2種のコンホメーション固定アナログをデザイン合成した。^1H NMR(NOE)および分子動力学計算により、1はシス型アミド(twist型)に、2はトランス型アミド(sofa型)にそれぞれ固定されていることを確認した。化合物1および2の全PKCアイソザイムに対する結合能を、PKCの発がんプロモーター結合部位(C1A、C1B)を化学合成したC1ペプチドを用いて評価した。その結果、2はnovel PKCに対してはIL-Vと同等の結合能を示したが、conventional PKC(α,β,γ)に対する結合能は、IL-Vの約1/100であった。化合物2のnovel PKCアイソザイム選択性は、全長のPKCを用いた実験(結合試験および細胞内局在性の変化)においても認められた。一方、1はIL-Vと同様のPKCアイソザイム結合能を示し、twist型がIL-Vの活性コンホメーションであることが再確認された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 入江一浩: "プロテインキナーゼCのシステインリッチドメインの化学合成、機能解析とドラッグデザイン"有機合成化学協会誌. 60・6. 563-572 (2002)
-
[Publications] Kazuhiro Irie: "Establishment of a binding assay for protein kinase C isozymes using synthetic C1 peptides and development of new medicinal leads with protein kinase C isozyme and C1 domain selectivity"Pharmacology & Therapeutics. 93・2-3. 271-281 (2002)
-
[Publications] Akiko Masuda: "Binding selectivity of conformationally restricted analogues of (-)-indolactam-V to the C1 domains of protein kinase C isozymes"Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 66・7. 1615-1617 (2002)
-
[Publications] Mayumi Shindo: "Synthesis and phorbol ester binding of the cysteine-rich domains of diacylglycerol kinase (DGK) isozymes : DGKγ and DGKβ are new targets of tumor-promoting phorbol esters"Journal of Biological Chemistry. 278(In press). (2003)