2001 Fiscal Year Annual Research Report
ナノメータ・スケール集積エレクトロニクスの理論的構築
Project/Area Number |
13025210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
名取 研二 筑波大学, 物理工学系, 教授 (20241789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 伸行 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (90282334)
山部 紀久夫 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10272171)
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Keywords | ナノメータ・スケール / 微細化限界 / 理論的アセスメント / 集積エレクトロニクス / シリコン集積回路 |
Research Abstract |
1.弾道輸送領域ないし準弾道輸送領域のMOSFETの解析。弾道輸送MOSFETは報告者により提案されており、MOS構造の最大電流を与える。最近の、極微細MOSFETの性能は、その最大電流の50%以下に留まるとされるが、散乱の減少に意を用いた1988年のIBMの素子では、電圧範囲によりほぼ弾道輸送が実現していることを示された。電流低下の要因と機構を議論。 2.ナノメータ集積システム実現には、金属・半導体問の接触抵抗の低減が大きな隘路である。この接触抵抗が理論的にどこまで下げられるかを検討。界面に工夫を加え、金属・半導体間のショットキバリヤを理想的にゼロに下げたとしても、半導体バルクの状態密度で決まる下限があり、10^<-9>〜10^<-10>Ωcm^2に留まることが判明した。 3.ナノメータ集積システムの、素子間を結ぶ配線は、究極的には原子を数珠状に配置した原子鎖配線となる可能性が高い。このような配線の十字路分岐構造の電子(情報)輸送を解析、電子輸送の分岐は電子エネルギにより等分でなく、バンド端近くでは直進して進む確率が高く、バンド中央では両袖に曲がって進む可能性が高いことが示された。 4.通常のデバイスシミュレーションでは、半導体中のイオン化不純物を一様な電荷分布と置き換えて解析するが、その粒子状のランダムな分布の効果を分析。一様な分布の作る一様な電界と異なり、粒子状の分布は長距離に渉るランダムなポテンシャルの凹凸を生起する。これらは通常の電子輸送への散乱効果と異なる付加的な散乱を惹起し、電子移動度の低下を齎すことが示された。 5.キャパシタ素子について。重金属の汚染によるMOSキャパシタの劣化は、極薄キャパシタの問題のひとつである。従来絶縁性の劣化は、MOS表面に形成される粒子状構造と関連付けられていたが、導電性のAFMを用い、絶縁性劣化点が何の特徴もない平坦面に一様に分布し、粒子状構造はかえって絶縁性が良いことが示された。 6.キャパシタの固有容量の問題等は、解析システムを用い解析進行中。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Natori: "Scaling Limit of the MOS Transistor -A Ballistic MOSFET-"IEICR Trans.Electron.. E82-C. 2550-2555 (2001)
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[Publications] T.Shimizu, K.Natori, N.Sano: "Transport Characteristics of the Cross Junction of Atomic Chains"Jpn.J.Appl.Phys.. 40(7). 4489-4495 (2001)
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[Publications] K.Shimoyama, K.Kudo, M.Iida, K.Yamabe, T.Maeda: "Changes in surface states during epitaxial growth of BaTiO3 substrate in connection with composition deviation"J.Vac.Sci.Technol.. A19(5). 2083-2088 (2001)
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[Publications] N.Tokuda, M.Murata, D.Hojo, K.Yamabe: "SiO2 Surface and SiO2/Si Interface Topography Change by Thermal Oxidation"Jpn.J.Appl.Phys.. 40. 4763-4768 (2000)
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[Publications] K.Shimoyama, K.Kudo, T.Maeda, K.Yamabe: "Epitaxial Growth of BaTiO3 Thin Film on SrTiO3 Substrate in Ultra High Vacuum without Introducing Oxygen"Jpn.J.Appl.Phys.Pt.2. 40, 5A. L463-L464 (2001)
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[Publications] T.Kurusu, N.Sano: "Significance of the long-range Coulomb potential on the mobility in impure bulk semiconductors"Physica B. (In press).