2001 Fiscal Year Annual Research Report
インテグレーション超高周波デバイス用新規プラナ型フェライト薄膜の開発
Project/Area Number |
13025231
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤井 達生 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10222259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 真 岡山大学, 工学部, 助手 (10284085)
高田 潤 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60093259)
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Keywords | 六方晶フェライト / 超高周波磁性材料 / コーティング膜 / フェロックスプラナ / 錯体重合法 / 銀 / 高周波集積回路 |
Research Abstract |
電子通信機器の小型化・高性能化にともない、高い周波数帯域で優れた高周波磁気特性を有する磁性薄膜の開発が切望されている。しかし、スピネル型フェライトに代表される従来の磁性材料は、高周波で透磁率が急激に低下し使用できない。我々の研究グループでは、理論的に優れた高周波磁気特性を持つことが期待されるプラナ型フェライトに注目し、その薄膜の作製に世界ではじめて成功した。その特徴は、金属イオンが均一に分散固定される錯体重合法を用いて原料溶液を調製し、コーティング法により薄膜を作製した点である。そこで本研究では、プラナ型フェライト薄膜のグローバルインテグレーションを目標に、1.薄膜の膜質向上(平滑性・クラック等)を目的として、原料溶液組成の検討2.薄膜の焼成温度の低温化を目的として、基板材料の検討を行った。 その結果、平滑かつクラックの無いプラナ型フェライト薄膜の作製のためには、原料溶液の混合比を、金属:クエン酸:エチレングリコール=1:4:12とすること、溶液のpHはpH<1とすること、そして粘度については10mPa・s以下とすることを明らかにした。また、種々の貴金属基板上に成膜した結果、プラナ型フェライト(Y型六方晶フェライト)の結晶化には、一般的に1000℃以上の高温焼成が必要とされるが、Ag基板を用いたときのみ特異的に結晶化温度が低下し、800℃の低温においてプラナ型フェライト薄膜が成長することを見出した。 得られたプラナ型フェライト薄膜の高周波磁気特性を評価し、改善することが今後の課題である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.FUJII, A.HARANO, M.NAKANISHI, J.TAKADA: "Low-temperature growth of c -axis oriented Y-type hexagonal ferrite thin films by the polymeric precursor method"Journal of Materials Research. 16(9). 2471-2474 (2001)