2001 Fiscal Year Annual Research Report
超高速・超微細・低消費電力ビームチャネル型CMOSトランジスタの開発
Project/Area Number |
13025232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
角南 英夫 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (10311804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝原 健太郎 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 助教授 (50274139)
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Keywords | ビームチャネル / 側壁トランジスタ / 異方性エッチング / TMAH / アスペクト比 |
Research Abstract |
ビームチャネルの微細加工性を高めるためには、原子オーダーで垂直なビーム(梁)を形成する必要がある。そこで、異方性エッチング、すなわち極めて(111)面のエッチング速度が遅いTMAH(トリメチルアンモニウムハイドロオキサイド)溶液を用いて、(110)面Si基板に垂直のビームを形成した。 高さ1μmのビームを目標に、倒れずに正常に形成できたもっとも狭いビームは高さ900nmの時、幅54nmであった。アスペクト比は約17である。このビームを1、7、15,31本形成したnMOSトランジスタを形成した。現在、アスペクト比17のゲートを形成するだけの異方性を持つドライエッチング技術が開発されていないので、まずは溶液エッチングでゲート長7μm、ゲート酸化膜厚13.4nmのMOSトランジスタを試作した。 このトランジスタを測定したところ、ビームの側壁部にも正常なトランジスタが形成されていることがわかった。側壁はTMAH液で形成したので原子オーダーで平滑であり、限りなく(111)面に近いと推定できる。ビームを31本配設したトランジスタでは、同じ平面面積のトランジスタの3.3倍のドレイン電流が確認された。言い換えれぱ、ビームチャネルトランジスタのチャネル幅は、ビームを平坦に引き延ばしたときのチャネル幅であるといえる。 今後の主な課題は、サブμm長のゲート形成法の創出、ビームの深さ方向に均一なソース・ドレイン低抵抗層、たとえばシリサイド層の形成などである。
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