2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13027239
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
大宮 邦雄 三重大学, 生物資源学部, 教授 (60023488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 哲哉 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (00281080)
粟冠 和郎 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20154031)
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Keywords | イネ / 環境修復 / クロロカテコール / Ralstonia eutrophus |
Research Abstract |
環境汚染物質を土壌から分解除去し環境修復をすすめることは社会的に緊急の課題である。そこで微生物のもつ環境汚染物質分解能力を遺伝子組換え技術で導入した植物を育種し、これを汚染土壌に植えることにより、低コストで持続的な難分解性汚染物質の分解技術の開発を究極の目的とした。クロロカテコールはPCBなどを微生物的に分解するときの中間産物であり、PCB分解の律速となる。Ralstonia eutrophus NH9株がクロロカテコールを分解するステップのうち、律速となる芳香環開裂酵素クロロカテコールジオキシゲナーゼをコードする遺伝子cbnAを、イネで高発現させるEnhanced CaMV35Sプロモーター下流に連結し、バイナリーベクターpCAMBIA1300にのせ、アグロバクテリウムを用いてイネに導入した。PCR法で目的遺伝子の導入を確認後、イネカルスを用いてHPLC法でクロロカテコールが分解されクロロムコネートが生成することを確認した。カルスよりイネ植物体を誘導し、この種子より第二世代(T2)を生育させ、遺伝子の発現を抗CbnA抗体を作成してウエスタンブロッティング法で確認した。さらにクロロムコネートから塩素を除去するクロロムコネートシクロイソメラーゼをコードするcbnB遺伝子を、cbnA遺伝子とともに導入した。すなわち、cbnAおよびcbnB両遺伝子を上記のプロモーター下流に連結し、これをバイナリーベクターにのせ、アグロバクテリウム法でイネへ導入した。組換え植物体に両遺伝子が導入されていることをPCR法で確認後、HPLCでクロロムコネートが分解され、ムコネートが生成していることが確認できた。さらに、抗CbnB抗体でウエスタンブロッティングを行い、CbnBが発現していることが確認できた。
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