2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13027242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
尾崎 博明 大阪産業大学, 工学部, 教授 (40135520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 知成 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50273488)
山田 春美 京都大学, 工学研究科, 助手 (40089123)
菅原 正孝 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (60026119)
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Keywords | 内分泌撹乱物質 / 低圧逆浸透法 / オゾン処理 / 促進酸化法 / エストロジェン活性 / 酵母株 / ビスフェノールA / 17-βエストラジオール |
Research Abstract |
下・排水及び湖沼水等の水中の内分泌撹乱物質を高効率かつ適切に除去する処理技術として、膜分離法と化学酸化法(オゾン処理、促進酸化法)について検討するとともに、毒性低減の観点からバイオアッセイによる毒性物質の同定、処理効率の評価をおこなった。得られた結果は以下の通りである。 1.各種ナノろ過膜により数種の内分泌撹乱物質の分離試験を行ったところ、高い塩阻止能を有する低圧逆浸透膜では、ビスフェノールA、ペンタクロロフェノール、17-βエストラジオール(E2)が95%以上阻止されることがわかった。ただし、E2のように若干のpH依存性を示す物質があること、塩阻止能が劣る低圧逆浸透膜のビスフェノールA阻止率は80%以下であることも同時に見出された。 2.E2はオゾン処理により、フタル酸-n-ブチル(DBP)は過酸化水素併用の促進酸化処理により効率的に分解可能であることがわかった。オゾンでは分解され難いDBPに対しては、DBP分解への共存有機物質(琵琶湖水、下水二次処理水)の影響について検討した(pH7.0に調整)。DBP90%分解に必要なオゾン消費量は水によって異なり、その範囲はDOC当たり0.5〜1.1mgL^<-1>であった。 3.機器分析では未知の主要な内分泌撹乱物質を無視してしまう可能性があることに着目し、複雑な環境試料をHPLCで分離し、各フラクションをバイオアッセイに供することで環境試料中に主要な内分泌撹乱物質の存在を明らかにする手法について検討した。エストロジェン活性とAhR活性を評価するための酵母株を用いる方法を適用した結果、促進酸化法や逆浸透膜処理により、下水中のエストロジェンを分解、除去できることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Ozaki, F.Li: "Rejection of organic compounds by ultra-low pressure reverse osmosis membrane"Water Research. Vol.36,No.1. 123-130 (2002)
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[Publications] 尾崎博明: "低圧逆浸透膜の溶質分離に及ぼす膜のζ-電位の影響"環境工学研究論文集. Vol.38. 353-358 (2001)
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[Publications] S.Matsui, T.Matsuda: "Ecotoxicological assessment of chemicals in point and nonpoint sources around Lake Biwa"Proc. of the Shiga-Michigan Joint Symposium 2001. K8-K11 (2001)