2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13027263
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長山 淳哉 九州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90136466)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳川 堯 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (80029488)
大野 博之 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (00037037)
辻 博 福岡大学, 医学部, 講師 (90155367)
|
Keywords | PCDDs / PCDFs / PCBs / 有機塩素系農薬 / 母体汚染 / 免疫機構 / ホメオスタシス / リスク評価 |
Research Abstract |
1994年に誕生し、母体を汚染している有害物質の影響に関する研究に協力した33名の乳児たちは2001年には7歳となった。この研究ではまず胎児期及び乳児期に曝露した有害物質のその後の影響を調べるためにこの子供たちを追跡調査した。6年間のブランクがあり、半数ほどの家族は現在連絡がつかなくなっているが、連絡がつきなおかつ今年度の研究に協力したのは15組の母子であった。 この子供たちのリンパ球亜集団の検査ではCD4陽性細胞の割合が正常値以下の子供が1人いただけで、血液検査はほぼ全員正常であった。この間の病歴でも嘔吐と下痢で一時入院した子供と弱視の子供が一人ずついたが、免疫異常の子供は認められなかった。 甲状腺ホルモン系の検査ではTSHとT3が正常値の上限を越えていた子供がそれぞれ1人ずついただけで免疫系の場合と同様、血液検査の結果は概ね良好であった。WISCによる全IQ、言語性IQ及び動作性IQの平均値はそれぞれ103.8、103.9、102.7で、いずれも正常域にあり、発達の遅れは見られなかった。しかし下位項目の分析や行動観察から、知的発達にアンバランスな特徴を示す子供が60%も認められた。これは日常面における適応の弱さを示している可能性もあるので、さらに対象児を増やし検討する必要がある。 食物繊維を多量に含む健康食品(FBRA)によるダイオキシン類の体外排泄促進に関しては性と年齢をマッチングした摂取群と非摂取群について摂取前と摂取1年後の血液レベルを比較・検討した。その結果、摂取群と非摂取群におけるダイベンゾフランの血液濃度の低下率はそれぞれ41%と34%であり、ダイオキシンでは37%と29%であった。このようにFBRAの摂取により体内汚染レベルがより低下・改善する傾向が示された。
|
-
[Publications] Nagayama J. et al.: "Effects of contamination level of dioxins and related chemicals on thyroid hormone and immune response systems in patients with "Yusho""Chemosphere. 43. 1005-1010 (2001)
-
[Publications] Nagayama J. et al.: "Comparison between "Yusho" patients and healthy Japanese in contamination level of dioxins and related chemicals and frequency of sister chromatid exchanges"Chemosphere. 43. 931-936 (2001)
-
[Publications] Nagayama J. et al.: "Effects of donor age and contamination level of dioxins and related chemicals on frequency of sister chromatid exchanges in human lymphocytes cultured in vitro"Chemosphere. 43. 845-849 (2001)
-
[Publications] Nagayama J. et al.: "Thyroid hormone status in Japanese infants lactationally exposed to organochlorine pesticides, PCBs and dioxins"Organohalogen Compounds. 53. 140-144 (2001)
-
[Publications] Nagayama J. et al.: "Status of helper and suppressor T lymphocyte subpopulations in Japanese infants lactationally exposed to organochlorine pesticides, PCBs and dioxins"Organohalogen Compounds. 53. 121-125 (2001)
-
[Publications] Nagayama J. et al.: "Decrease in blood levels of dioxins after the one year intake of FBRA in Japanese"Organohalogen Compounds. 52. 293-296 (2001)