2001 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性多元素環状金属錯体の合成と反応性に関する研究
Project/Area Number |
13029019
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今本 恒雄 千葉大学, 理学部, 教授 (10134347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壇上 博史 千葉大学, 理学部, 助手 (70332567)
|
Keywords | 光学活性化合物 / 不斉合成 / 触媒 / 不斉触媒 / ホスフィン / ハイブリッド配位子 / 不斉キレート錯体 |
Research Abstract |
本研究は,リン,硫黄,窒素などのヘテロ原子を含む新規光学活性多元素環状金属錯体を合成し,それらの反応性,とりわけ不斉触媒能について検討を行うものである。また,それらの知見を踏まえて,活性とエナンチオ選択性の両面で既存の触媒活性を上まわるキレート錯体を創製するとともに,前例のない触媒的不斉合成反応の開発をめざしている。 本年度は,リン-硫黄およびリン-窒素ハイブリッド型二座配位子の設計と合成およびそれらの不斉触媒能について検討した。リン-硫黄ハイブリッド配位子はリン原子上に不斉中心をもつホスフィン-ボランを用いて,メチレン架橋体,エチレン架橋体およびオルト-フェニレン体をそれぞれ12種,2種および1種合成した。つぎに得られた配位子の不斉触媒能をパラジウム触媒不斉アリル位置換反応で調べた。その結果,最高92%鏡像体過剰率の生成物が得られた。一般に堅固な環構造をとりうるメチレン体とフェニレン体で高いエナンチオ選択性が観測された。 一方,P-キラルホスフィンと光学活性オキサゾリン部位を合わせもつリン-窒素ハイブリッド型配位子は,ボラナートホスフィノ酢酸と光学活性アミノアルコールを脱水縮合させることにより容易に合成された。これらの配位子を上記のアリル位置換反応に用いた結果,不斉選択性はオキサゾリン環の立体構造に大きく影響されることがわかった。また,パラジウムと配位子の比を変えることによって,生成物の絶対配置が大きく逆転することが見出された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] H.Sugama, H.Saito, H.Danjo, T.Imamoto: "P-Chirogenic Phosphine/Sulfide Hybrid Ligands"Synthesis. 2001. 2348-2353 (2001)
-
[Publications] S.Taira, K.V.L.Krepy, T.Imamoto: "Enantioselective Conjugate Addition of Diethylzinc to cyclic Enones"Chirality. 2002(印刷中). (2002)
-
[Publications] S.Taira, H.Danjo, T.Imamoto: "A Facile Synthesis of 2-substituted Indoles from (2-Aminobenzyl) triphenylphosphonium Salts"Tetrahedron Letters. 43(印刷中). (2002)