2001 Fiscal Year Annual Research Report
クロム(II)を用いる多元素環状化合物の新合成法の開発
Project/Area Number |
13029076
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高井 和彦 岡山大学, 工学部, 教授 (00144329)
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Keywords | クロム(II) / 多元素環状化合物 / フラン / α,β-アセチレンケトン / クロムエナミン / γ-アミノアルコール |
Research Abstract |
クロム(II)を用いる合成反応はその条件が穏やかであり、多くの酸素官能基を含む化合物の合成への適用が期待され、また、操作も簡便である。クロム(II)から電子不足の不飽和結合への1電子移動を契機とする反応(連続したアルドール反応・シクロプロパノール生成、立体選択的交差ピナコール型反応)の研究過程で、α,β-アセチレンケトンとアルデヒドとの反応による2,5-二置換フランの合成法を見いだした。反応は、α,β-アセチレンケトンへの1電子移動により生じたアレノラートラジカルの、反応系に加えた水による加水分解、2回目の1電子還元によるアルケニルクロム種の生成、アルデヒドとの反応、環化-フラン化により進行したと考えている。確かに、水を添加せず無水条件で反応を行なうと、Baylis-Hilman型の付加体が生じ、また、重水を加えると生成したフラン環に重水素が導入された。この手法を用いると、ケトンを側鎖に有するフランも合成できる。 また、多元素環状化合物の合成には結びつかなかったが、O-アセチルオキシムをクロム(II)で還元すると、クロムエナミンが発生することを見いだした。アルデヒド共存下にこのクロムエナミンを発せさせると、アルドール型付加反応が進行する。反応混合物を加水分解せず、還元するとγ-アミノアルコールが生成した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Takai, R.Morita, C.Toratsu: "Stereoselective Cross Pinacol-type Coupling between α, β-Unsaturated Ketones and Aldehydes with Chromium(II) in the Presence of R_3SiCl"Angew. Chem. Int. Ed.. 40巻6号. 1116-1119 (2001)
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[Publications] K.Takai, R.Kokumai, T.Nobunaka: "Reactions of Coordinated Geminal Dichromium Reagents with Aldehydes: Stereoselective Formation of (Z)-2-Chloro-2-alken-1 -ols"Chem. Commun.. 18号. 1128-1129 (2001)
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[Publications] K.Takai, N.Katsura, Y.Kunisada: "Generation of Chromioenamines by Reduction of O-Acetyloximes with Chromium(II) and their Application"Chem. Commun.. 18号. 1724-1725 (2001)
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[Publications] K.Takai, R.Morita, S.Sakamoto: "Preparation of 2,5-Disubstituted Furans from Terminal Ynones and Aldehydes with CrCl_2, Me_3SiCl, and H_2O"Synlett. 10号. 1614-1616 (2001)