2001 Fiscal Year Annual Research Report
窒素-リン結合を分子内に有する非交互共役縮合多環複素環系の合成研究
Project/Area Number |
13029083
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
阿部 憲孝 山口大学, 理学部, 教授 (30089908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 寛之 山口大学, 理学部, 助手 (90260679)
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Keywords | アザアズレン / ホスホイミン化合物 / 窒素-リン結合 / 縮合複素環化合物 / X線構造解析 / 分子軌道計算 / 付加環化反応 / 非交互共役π電子系 |
Research Abstract |
非交互共役縮合環化合物は、特異なπ-電子系を有し、その物性に興味がもたれてきた。縮合環の橋頭位に窒素を有する含窒素縮合複素環化合物は、炭素環系とは大きく異なる物性が期待される。今回の研究で、アミノアザアズレン類の特性を利用して、非交互共役縮合環への橋頭位窒素と結合するリンを導入し、環内に窒素-リン結合を有する新規な8-ホスホイミノ-1-アザアズレンの合成に成功した。類似構造の2-ホスホイミノ-1-アザアズレンと8-ホスホイミノ-キノリンも合成に成功し、これらの化合物の性質を比較した。 新規な8-ホスホイミノ-1-アザアズレンの構造の解明はX線結晶解析及び分子軌道計算により行った。N(2)-P間距離は2.762Åと短く、N(2)-P間の相互作用が認められ、共鳴構造として環状化合物としての存在が示唆された。これらの結果をHeterocyclesで速報として発表した。 この化合物の反応性の検討を行い、ベンズアルデヒドとの反応では7、5、5員環の縮合した3環性の縮合複素環化合物を、桂皮アルデヒドとの反応では7、6、5員環の縮合した3環性の縮合複素環化合物を生成することを見いだした。 これらの研究を進めるために、1-アザアズレン類の反応性を検討する必要から、関連する付加環化反応の検討を行った。ベンザインとの付加環化反応では、双極性付加環化反応とDiels-Alder型の反応が生起し、試薬の発生手段により生成物が異なることを見いだし報告した。さらに、1-アザアズレンN-イリド誘導体を合成し、その付加環化により新規メソイオン複素環等を合成できることも報告している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Abe, H.Fujii, K.Tahara, M.Shiro: "Synthesis and Some Properties of Phosphoimino-1-azaazulene Derivatives"Heterocycles. 55・9. 1659-1662 (2001)
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[Publications] N.Abe, M.Mori, H.Fujii: "Reaction of 1-Azaazulenes with Benzyne"J. Chem Res. (s). 8-8 (2002)
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[Publications] N.Abe, M.Mori, H.Fujii: "Reaction of 1-Azaazulenes with Benzyne"J. Chem. Res. (M). 162-172 (2002)
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[Publications] N.Abe, Y.Fukumoto, H.Fujii, A.Kakehi: "Synthesis and Some Reactions of Ethyl (2-Alkylimino-1,2-dihydro-1-azaazulen-1-yl)acetates"Heterocycles. 56・1. 171-180 (2002)