2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13031007
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安中 雅彦 千葉大学, 工学部, 助教授 (40282446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 智 日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 研究員
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Keywords | 水溶性ブロック共重合体 / ゾルゲル転移 / 自己組織化 / 中性子散乱 |
Research Abstract |
片末端がメトキシ基された数平均分子量5000(n=110,Mw/Mn=1.05)のポリエチレングリコールにレドックス開始剤として4価のセリウム錯体を作用させ,水酸基が結合する炭素上にラジカルを発せさせた後,NIPAモノマーを添加することで,NIPA-PEGジブロック共重合体を合成した. 合成されたジブロック共重合体は,約3.5%(w/v)以上の濃度では温度の上昇に従い,ゾル状態,ゲル状態・相分離状態の3つの状態を示すことが確認された. NIPA-PEGジブロック共重合体の7.0%(w/v)水溶液のピンホール型中性子小角散乱,2結晶型中性子超小角散乱により,17℃以下の低温では,PNIPA, PEG共に重水で膨潤され,Ornstein-Zernicke型に従う溶液散乱が観察された。さらに17℃から25℃付近において急激な散乱強度の上昇が観測され,これはNIPA鎖とPEG鎖のミクロ相分離によるものと考えられ,この温度領域でI(0)^<-1> vs 1/Tのプロットを行い,膨潤した鎖からの溶液散乱成分と相分離によるミクロドメインからの散乱成分の2成分に分離して解析を行った結果,17℃から25℃付近において急激な散乱強度の上昇は,ゲル化の前駆現象であると考えられる. 一方,30℃以上の温度領域では,NIPA鎖の脱水和により凝集したNIPAリッチドメインの微細構造を反映する散乱(q-4)が観測され,その凝集界面構造をPorodプロットから評価した.また,Mass Fractal, Surface Fractalに特徴的なベキ乗則が広い波数領域で観察された.この観測結果は,Fractal極限を考慮した散乱式(1)を用いて,定量的に解析できることが明らかになった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Annaka et al.: "Multiple-phase Behavior and Memory Effect of Polymer Gel"Journal of Applied Physics A. (in press). (2002)
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[Publications] S.Koizumi et al.: "Frozen Concentration Fluctuations in a Poly(N-isopropylacrylamide) Gel Studied by Neutron Spin Echo and Neutron Small-angle Scattering"Journal of Applied Physics A. (in press). (2002)