2001 Fiscal Year Annual Research Report
高分子多成分系における非晶内相分離と結晶化の競合によるミクロ多相構造の形成と制御
Project/Area Number |
13031033
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80313568)
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Keywords | 結晶化 / 高次構造 / ミクロ相分離 / マクロ相分離 / ブロック共重合体 / ポリマーブレンド / ポリエチレン / ポリスチレン |
Research Abstract |
結晶性成分の融点が非晶性成分のガラス転移温度より低い成分鎖から構成される結晶性-非晶性ブロック共重合体の結晶化およびそれらブロック共重合体とその成分に対応するホモポリマーとのブレンドの結晶化と高次構造形成について、小角X線散乱およびDSCを用いて検討した。 ポリエチレンーポリスチレンブロック共重合体(PE-PS)の結晶化において、融体のミクロ相分離構造がラメラ状であってもシリンダー状であっても、融体中のミクロ相分離構造はドメインサイズおよび形態の両方とも完全に保たれ、結晶化がナノスケールのミクロ相構造内で生じていることが示された。また、シリンダー状ドメイン内での結晶化においては、アブラミ指数は小さく結晶成長次元が制約されたいることが示唆された。これらブロック共重合体とPEまたはPSホモポリマーとのブレンドにおいて、ホモポリマーの分子量が共重合成分の分子量より小さい組合せでは融体中でマクロ相分離は生じず明確なミクロ相分離を形成した。一方、大きい分子量のホモポリマーとのブレンドにおいてはマクロ相分離が生じ、その相内でミクロ相分離が形成されたがそのドメイン構造は明確に観察されなかった。これらマクロ相分離が生じるか否かにかかわらず、相構造は結晶化によっても完全に保たれた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Shiomi, H.Tsukada, H.Takeshita, K.Takenaka, Y.Tezuka: "Crystallization of semicrystalline block copolymers containing a glassy amorphous component"Polymer. 42. 4997-5004 (2001)
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[Publications] 塩見友雄, 竹下宏樹: "ブロック共重合体の結晶化と高次構造形成"高分子加工. 51・2. 56-62 (2002)