2001 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質を特異的に認識する強相関ペプチドポリマーマテリアルの創成
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13031034
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
横山 憲二 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (80242121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 資隆 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (80303353)
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Keywords | グルコースオキシダーゼ / 表面プラズモン共鳴 / ファージ提示系 / ペプチドモノマー / ラジカル共重合 / 固相合成 |
Research Abstract |
これまでに我々は、ファージ提示系ランダムペプチドライブラリーを用いることにより、グルコースオキシダーゼ(GOx)の52-58番目および197-203番目のアミノ酸配列に対し親和性を示す12merペプチドを取得している。本研究では、さらに強い非共有結合によりタンパク質を認識するペプチドポリマーの創成を試みた。 1.ペプチドモノマーの固相合成 GOxを認識するペプチド配列を持つアミノ酸側鎖保護基付ビニルモノマーPM1(GOxの52-58番目を認識)、PM2(同197-203番目)をFmoc固相法により合成した。N末端αアミノ基にはリンカー6-aminohexanoic acidを介してアクリロイルを固相上で導入し、側鎖保護基を残したままクリベージした。次に、逆相HPLCにて分取し、MALDI-TOF質量分析にて生成物を確認した。 2.プチドポリマーの合成と親和性の評価 PM1またはPM2と両親媒性のN, N-ジエチルアクリルアミドをコモノマーとし、ラジカル共重合反応を行った。次にトリフルオロ酢酸を主成分とするクリベージカクテルでペプチド側鎖を脱保護した後、分画分子量1万の限外ろ過膜で低分子量成分を分離し、目的のペプチドポリマーを得た。合成したペプチドポリマーとGOxとの親和性は、表面プラズモン共鳴測定装置により評価した。その結果、いずれのペプチドポリマーの場合も基板上に固定化したGOxに対し高い親和性を示したのに対し、ヘモグロビンや牛血清アルブミンに対してはほとんど結合しなかった。また、単独のペプチドとペプチドポリマーのGOxに対する親和性を比較した。その結果、いずれも単独のペプチドにくらべ、同等あるいはそれ以上の親和性を示した。以上から、ペプチドを高分子化することにより、ペプチドが持つ親和性をさらに上昇させることに成功した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K Yokoyama, M Matsumoto, H Ishikawa, Y Morita, B Tamiya: "Sensor peptides based on fluorescence resonance energy transfer"Advances in Biochemical Production Technologies, ACS Symposium Series. (印刷中).
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[Publications] Y Morita, Y Murakami, K Yokoyama, E Tamiya: "Synthesis and analysis of peptide ligand for biosensor application using combinatorial chemistry"Advances in Biochemical Production Technologies, ACS Symposium Series. (印刷中).
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[Publications] 森田資隆, 金原健, 村上裕二, 横山憲二, 民谷栄一: "チップ技術と連携したコンビナトリアル設計法による機能分子の創成"生物工学会誌. 79. 367-370 (2001)
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[Publications] K Yokoyama, T Sakai, H Ishikawa, Y Morita, B Tamiya: "Screening and design of hybrid peptide that binds with glucose oxidase"Peptide, The Wave of the Future, Proceedings ofthe Second International and the Seventeenth American Peptide Symposium. 202-203 (2002)
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[Publications] 横山憲二: "バイオセンサーからDNAチップまで"化学と教育. 49. 786-787 (2001)
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[Publications] K Yokoyama, S Koide, Y Kayanuma: "Cyclic voltammetric simulation of electrochemically mediated enzyme reaction and elucidation of biosensor behaviors"Analytical and Bioanalytical Chemistry. 372. 248-253 (2002)
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[Publications] 民谷栄一, 森田資隆, 村上裕二, 横山憲二: "バイオセンサー-新規バイオセンサー創成に向けてのチャレンジー,化学フロンティア5・生命化学のニューセントラルドグマ"化学同人. 275 (2002)