2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13031043
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
幅上 茂樹 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30252266)
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Keywords | アニオン重合 / α-(置換)アクリル酸エステル / マクロ環状モノマー / クラウンエーテル / ビニルポリマー / アルカリ金属イオン抽出能 / ナノチューブ型空間 / 人工イオンチャンネル |
Research Abstract |
種々のクラウンエーテル型構造を有する新規モノマー、マクロ環状α-(アルコキシメチル)アクリル酸エステルを設計・合成し、これらをアニオン重合することにより、新規なビニルポリマー、ポリ(クラウンエーテル)を得た。用いる開始剤の種類を選ぶことにより、生成ポリマーの立体規則性をアタクチックからイソタクチックまで様々に変化させることが可能であった。得られたポリマーは、マクロ環が主鎖に対して垂直かつ連続的に固定されたこれまでにない構造を有している。従って、全く新しいイオン・分子認識能を有するポリマーとしての応用が考えられるだけでなく、ナノチューブ型空間の形成・制御の可能性が期待できる。そこでまず、得られたポリマーのアルカリ金属イオン抽出能を調べた結果、環構造のみならず立体規則性の違いによるアルカリ金属イオン抽出能の大きな違いが認められ、さらにこれらのポリマーが従来の側鎖にクラウンエーテルを有するポリマーにはない、特徴的な抽出能を示すことがわかった。さらに、ポリマーをベシクル二分子膜中に導入し、人工イオンチャンネルとしての機能について検討した結果、Co^<2+>の効果的なイオンチャンネルとしての機能を有していることが明らかになった。このことから、本研究において合成されたポリマーが、ナノチューブ型構造あるいは,何らかの空孔構造を形成している可能性があり、モノマー構造や重合反応をさらに設計・制御することにより、ナノチューブの構築やより高度な機能の創成が可能であると考えられる。
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[Publications] H.Baraki, B.Habaue, Y.Okamoto: "Catalytic Stereocontrol by Lewis Acid in Radical Polymerization of α-(Alkoxymethyl)-acrylates : Mechanistic Study and Effect of Aminoalcohols as Ligand for Zinc Bromide"Macromolecules. 34・14. 4724-4729 (2001)
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[Publications] S.Habaue, M.Morita, Y.Okamoto: "Anionic Polymerization of Macrocyclic α-(Alkoxymethyl)-acrylates Leading to Novel Vinyl Polymers with Crown Ether-type Side Chains"Macromolecules. 35(in press). (2002)
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[Publications] S.Habaue, M.Morita, Y.Okamoto: "Stereospecific Anionic Polymerization of α-(Alkoxymethyl)-acrylates Derivatives Affording Novel Vinyl Polymers with Macrocyclic Side Chains"Polymer. 43(in press). (2002)
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[Publications] 幅上茂樹, 岡本佳男: "マクロ環状α-(アルコキシメチル)アクリル酸エステル誘導体の立体特異性重合"高分子加工. 51・1. 33-37 (2002)