2001 Fiscal Year Annual Research Report
高分子-液晶混合系の臨界核と核成長に関する理論的研究
Project/Area Number |
13031046
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松山 明彦 三重大学, 工学部, 助手 (60252342)
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Keywords | 高分子と液晶分子の混合系 / ネマチック核 / 相分離 / 核成長 / 配向ゆらぎ / 3重点 / 液晶ゲル / 枯渇作用 |
Research Abstract |
近年,液晶状態のような秩序構造と流動性をもった系に,高分子や界面活性剤やコロイド粒子などを混合させたときの相転移現象に注目が集まりつつある。これらの系では濃度と配向秩序の2つの秩序パラメーターが,平衡や非平衡現象の物性を支配している。また工学的応用面においては,秩序化された複合材料等の設計において注目されてきている。保存系の秩序パラメーターである濃度と、非保存系の秩序パラメーターである配向秩序の2つの秩序変数を含む系は、ソフトマテリアルにおいてさまざま存在する。たとえば,高分子と液晶分子の混合系、液晶ゲルと液晶分子の混合系、棒状コロイドと高分子の混合系、球状コロイドと液晶分子の混合系,液晶高分子溶液など。これらの系にはまだまだ新しい相転移が潜んでいる。本研究は,濃度と配向場の競合により引き起こされる様々な系における相分離、相分離ダイナミツクス,界面・表面現象について、平均場理論や計算機シュミレーションを用いて研究することを目的としている。 平成13年度では,(1)液晶ゲルと液晶分子の混合系で起こるネマチックー等方相転移とゲルの体積相転移(2)棒状コロイド溶液における枯渇相互作用(3)高分子と液晶分子の混合系でおこるネマチック核形成について研究した。液晶分子の配向揺らぎが大きいほど核成長を早める効果や,3重点の低温側では準安定な等方相によって相分離の進行が抑制させられる効果などを発見した。 これらの結果は、相分離構造の制御やモルフォロジーの時間発展を明らかにすることができ、今後,相分離を利用した材料設計や物質の分離などの分野において重要な意義が得られるであろう。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松山明彦: "液晶分子と高分子の混合系の相分離"液晶. 5. 225-234 (2001)
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[Publications] Akihiko Matsuyama: "Volume Phase Transitions of Nematic Gels under an External Field"Journal of Chemical Physics. 114. 3817-3822 (2001)
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[Publications] Akihiko Matsuyama: "Discontinuous Elongation of Nematic Gels by a Magnetic Field"Physical Review E (Rapid Communications). 64. 010701-1-010701-4 (2001)
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[Publications] Akihiko Matsuyama: "Spinodal Decompositions driven by Orientational Fluctuations"Molecular Crystal and Liquid Crystal. 367. 455-461 (2001)
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[Publications] Akihiko Matsuyama: "Orientation-dependent depletion interaction in rodlike colloid-polymer mixtures"The European Physical Journal E. 6. 15-24 (2001)
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[Publications] Akihiko Matsuyama: "Nematic ordering-induced volume phase transitions of a liquid crystalline gel"Journal of Chemical Physics. (2002)