2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13031063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹中 繁織 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60188208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 成夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00264078)
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Keywords | DNAワイヤ / フェロセン化ナフタレンジイミド / β-ジクロデキストリン / 分子スイッチ / ナノサイズ / 擬ポリフェロセンアレイ / 動的制御 / π-スタック |
Research Abstract |
DNA重らせんは、核酸塩基のスタッキングと水素結合により高度に配向化された高分子である。申請者らは、これまでフェロセン化ナフタレンジイミドがこのDNA二重らせんに集積され、フェロセンがコートされたような擬ポリフェロセンアレイを形成することを明らかにしてきた。フェロセンは、β-シクロデキストリン(β-CD)に包摂されることがすでに知られている。従って、このような擬ポリフェロセンアレイにβ-CDを作用させるとポリフェロセンへのβ-CDの包摂とそれに伴うフェロセン-β-CDの再配列化が期待される。この現象は、一次元DNAの水素結合を含んだ構造変化を生ずるものと考えられる。即ち、擬ポリフェロセンアレイによるDNAナノワイヤのβ-CDによる動的制御の可能性が期待される。 当該年度では、これを実証すべく、種々の検討を加えた。β-CD存在下、非存在下でフェロセン化ナフタレンジイミドのDNA二重らせんへの結合挙動を調べたところ、β-CDがDNA上に結合したフェロセン化ナフタレンジイミドのフェロセン部分に結合し、見かけ上サイズが増大したフェロセン化ナフタレンジイミドがDNA重らせん上に再配列され、DNA上の安定性も向上された。DNA二重らせん修飾電極を用いた同様の実験では、フェロセン化ナフタレンジイミドのDNA二重らせん上の配列化によって電極上に生じた擬ポリフェロセンアレイが溶液中の酸化還元物質の触媒的電子移動を抑制することが明らかとなった。即ち、電極上に形成したDNA二重らせん-フェロセン化ナフタレンジイミドのナノ電線の電子移動反応をβ-CDによりスイッチできたのである。ここで得られた結果は、電極とフェロセン化ナフタレンジイミド、β-CDによって電子移動反応をスイッチできることを示したもので、より実用的なDNAワイヤ研究を開くものと期待されその意義は大きい。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] S.Sato et al.: "Linker chain effect of ferrocenyl naphathelene diimide on a double stranded DNA preference"Nucleic Acid Research Supplement. 1. 269-270 (2001)
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[Publications] H.Ueyama et al.: "DNA binding behavior of peptides carrying acridinyl units : First example of effective poly-intercalataion"Nucleic Acid Research Supplement. 1. 163-164 (2001)
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[Publications] S.Takenaka: "Highly sensitive probe for gene analysis by electrochemical approach"Bull. Chem. Soc. Jpn. 74・2. 217-224 (2001)
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[Publications] K.Yamashita et al.: "Analysis of the complex of oligonucleotide duplexes with ligands by MALDI-TOF Mass Spectroscopy"Chem. Lett. 680-681 (2001)
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[Publications] B.Juskowiak et al.: "Energy transfer evidence for cross-linking of DNA by 1,4-bis((N-methylquinolinium-4-yl)vinvl)benzene"Polish J. Chem. 75. 1377-1378 (2001)
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[Publications] B.Juskowiak et al.: "Isomerization of DNA-bound distilbazolium ligand induced by electron transfer from photoecited tris(1,1O-phenanthroline)-Ru(II),"Photochemistry and Photobiology. 74・3. 391-400 (2001)
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[Publications] 竹中繁織: "分析化学便覧h.DNAおよびRNA"丸善. 7 (2001)