2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13033003
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 幸治 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (40212097)
|
Keywords | シグナル認識粒子 / 枯草菌 / 分泌装置 / SRP19 / Ffh / シグナルペプチド / 再構成系 |
Research Abstract |
枯草菌SRPはこれまでの解析から、1種類のRNA(scRNA)と2種類の蛋白質(Ffh=50kDa、HBsu=10kDa)から構成されており、このうち、HBsuはホモダイマーとして結合している。いずれの蛋白質も、大腸菌での発現系を構築した。改良の結果、結晶解析に必要とされる量の確保を得た。これとすでに系の構築が終了しているFfhタンパク質、及び、試験管内で転写したscRNAにより、再構成SRPの生成に成功したが、結晶構造解析に必要な量の確保には至っていない。これは最高の効率が非常に低いことと、ショ糖密度勾配遠心法等での再現性に問題が生じている。細胞内でのSRPの含有量と増殖時期との関係を解析した結果、対数増殖期以降に比較的安定なSRPが多く存在することが明らかとなった。この結果を踏まえ、枯草菌菌体より、直接、SRP粒子の生成を試みた。その結果、枯草菌100リットル培養液より、結晶構造解析に必要なミリグラム単位のHBsu-Ffh-scmRNA複合体が精製できた。現在、結晶化に向けた条件検討を行っている。 一方、ヒトSRPは、6種類のタンパク質と1種類のRNAからなる(SRP RNA)。SRP RNAは、300塩基からなるが全体的に塩基対合を形成し、特徴的な2次構造を持つ。機能上これらの構造は4ドメインからなると推測される。6種類のタンパク質うち、シグナル認識に直接関与し、これと結合するSRP54タンパク質はSRP RNAのドメインIVへの結合に際し、SRP19が別のドメインIIIに結合することが必要であった。ヘリックスIIIの構造をNMRを用いて解析したところ、新たにA : C塩基対がSRP19の結合により、ドメインIIIが安定化していることがわかった。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Ando, Y.: "Expression of a small RNA, BS203 RNA, from the yocI-yocJ intergenic region of Bacillus subtilis genome"FEMS Microbiology Letters. 207・1. 29-33 (2002)
-
[Publications] Sakamoto, T.: "Solution structure of a SRSP19 binding domain in human SRP RNA"Journal of Biochemistry(Tokyo). 132・2. 177-182 (2002)
-
[Publications] Suzuma, S.: "Identification and characterization of novel small RNAs in the aspS-yrvM intergenic region of the Bacillus subtilis genome"Microbiology. 148・8. 2591-2598 (2002)
-
[Publications] Kumano, M: "Lincomycin resistance mutations in two regions immediately downstream of the-10 region of lmr promoter cause overexpression of a putative multidrug efflux pump in Bacillus subtilis mutants"Antimicrobial Agents and Chemotheraphy. 47・1. 432-435 (2003)