2001 Fiscal Year Annual Research Report
集光性複合体と光合成反応中心の複合体の構造解析と回析能の改善方法の確立
Project/Area Number |
13033011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 孝雄 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (80243731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信夫 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (50032024)
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Keywords | 強磁場 / 回折物性 / 回折能の改善 / 過飽和度 |
Research Abstract |
結晶の回折能を改善するためのケーススタディとして、まず、タンパク質の溶解度に及ぼすイオン種の凝集力の差を利用して、結晶性を改善し、放射光施設において2Å分解能超で、好塩菌由来カタラーゼ-ペルオキシダーゼの構造解析に成功した。また、放射光のX線ビームの低発散角を活用し、強磁場下で結晶化させた卵白リゾチームの結晶性が向上することを調べることができた。さらに、結晶化をセットアップ時の仕込みリゾチーム濃度を、種々の過飽和度で結晶の回折能が調整できることも調べることができた。タンパク質結晶の回折物性研究に、放射光のX線は特に有用であることは示唆されていた。放射光とファインスライシング法による測定法の組み合わせの有用性も確かめるモデルサンプルとして、好熱菌由来のV1-ATPaseとMg-ADP複合体の結晶学的研究にも着手した。現在、光合成細菌由来の集光性複合体(LH1)-反応中心複合体の結晶化に関しては、複数の結晶化条件を得ている。その中で、回折実験可能な大きさまで成長した結晶については、放射光施設においてX線回折実験を行った。その結果、約15Å程度の低分解能の回折パターンを得ることができた。しかしながら、格子定数の決定には至っていない。構造解析可能な結晶を得るため、今後も結晶化条件の最適化、再検索を行っていく。例えば、二光束微分干渉顕微鏡により擬似的な溶解度曲線を作成する。これから、過飽和度と温度の相関から、結晶成長速度を調整し、回折能を改善する結晶育成方法を来年度は試みる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamada, Y., Saijo, S., Sato, T., Igarashi, N., Usui, H., Fujiwara, T., Tanaka, N.: "Crystallization and preliminary X-ray analysis of catalase-peroxidase from the halophilic archaeon Haloarcula marismortui"Acta Cryst.. D57. 1157-1158 (2001)
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[Publications] Ishii, N., Saijo, S., Sato, T., Tanaka, N., Harata, K.: "Crystallization and Preliminary X-ray Studies of V1-ATPase of thermos Thermophilus HB8 Complexed with Mg-ADP"J.Struct.Biol.. 134. 88-92 (2001)
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[Publications] Takao Sato, Yusuke Yamada, Shinya Saijo, Nobuo Tanaka, Gen Sazaki: "Improvement in diffraction maxima in orthorhombic HEWL crystal grown under high magnetic field"Journal of Crystal Growth. 232. 229-236 (2001)
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[Publications] Yoshizaki, I., Sato.T., Igarashi, N., Tanaka, N., Komatsu, H., Yoda, S.: "Systematic analysis of supersaturation and lysozyme crystal quality"Acta Crist.. D57. 1621-1629 (2001)