2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖が構造形成におよぼす要因の解析と膜タンパク質結晶化への応用
Project/Area Number |
13033044
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 博章 京都大学, 薬学研究科, 教授 (90204487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 洋之 理化学研究所, 速度論的結晶学研究チーム, 連携研究員
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Keywords | 糖鎖修飾 / 膜タンパク質 / 結晶化 / 昆虫細胞 / 遺伝子発現 / 多剤耐性 / 抗癌剤 / X線結晶解析 |
Research Abstract |
1.修飾糖鎖の解析について 4ヶ所糖鎖の修飾を受けるリンゴ銀葉病菌由来エンドポリガラクツロナーゼのうち、2ヶ所(Ash92,Asn161)が修飾されているIaとその脱糖鎖型deIaについて超高分解能精密結晶構造解析を行った。また、オリゴガラクツロン酸との複合体を結晶化させることに成功し、サブサイト構造について明らかにすることができた。ついで、分解能を向上させることにより、水素の構造についても明らかにすることに成功した。さらに、中性子線解析によって、水素構造の確認を行うため、中性子線解析に必要となる巨大結晶(数ミリ立方メートル大)の作成を試みた。 2.ABCトランスポーターについて ガンの多剤耐性の原因となるMDR1と糖尿病薬スルホニルウレア剤のレセプターであるSUR1について、ヒトおよびマウス由来の遺伝子を用いてバキュロウイルスをベクターにした昆虫培養細胞(Sf-9)による発現系を構築し、得られた発現系を用いて活性型のタンパク質を大量生産(3リットルの液体培養)できる培養条件を確立した。また、細胞からミクロソーム画分を調製する方法を改良することにより収量を改良することができた。さらに、結晶化を補助するため、モノクロナール抗体から調製したFabフラグメントとの複合体を調製することを試みた。その結果、特定の界面活性剤を用いたときだけ複合体ができていることが判明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tetsuya Shimizu: "Active-Site Architecture of Endopolygalacturonase I from the Pathogenic Fungus, Stereum purpureum, Revealed by Crystal Structures in Native and Ligan-Bound Forms at Atomic Resolution"Biochemistry. 41. 6651-6659 (2002)
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[Publications] Emiko Yamauchi: "Crystal structure of MARCKS calmodulin-binding domain peptide complexed with Ca2+ Calmodulin"Nature, Struct. Biol.. 10. 226-231 (2003)