2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13035010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大岡 静衣 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80313097)
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Keywords | ポリオウイルス / ベクター / 運動神経 |
Research Abstract |
ポリオウイルスは運動神経特異的に感染する、1本鎖プラス鎖RNAウイルスである。ゲノムも7.4kbと小さく扱いやすいことから、ポリオウイルスを運動神経特異的なベクターとして用い、BDNF発現ポリオウイルスベクターを構築した。このベクターウイルスは、ポリオウイルス感受性トランスジェニックマウスを用いた感染実験の結果から、運動神経特異性を維持しており、運動神経細胞において、ポリオウイルス、BDNF双方の抗原が共存していることが確認された。培養細胞においても両者の共存が確認された。また、少なくとも継代3代目までは安定にBDNF遺伝子を発現することが確認できた。しかし、ベクターウイルスをポリオウイルス感受性トランスジェニックマウスに投与後7日後には両抗原が観られなくなったことから、このベクターウイルスによるBDNF発現は一過的であることが明らかとなった。現在は、このBDNF発現ポリオウイルスを用いた解析を行うと同時に、他の分子を導入したポリオウイルスの設計、および新しい発想によるポリオウイルスベクターの設計を行っている。 運動神経特異的ポリオウイルスベクターのin vivoにおける効果を確認するモデルマウスの一つとして、運動神経疾患である筋萎縮性側索硬化症(ALS)のモデルマウスを導入した。ALSモデルマウスとポリオウィルス感受性トランスジェニックマウスの交配を行い、双方の遺伝子を併せ持つマウスを作製した。現在、上記3種のマウスのALS発症経過観察およびポリオウイルスへの感受性試験を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Jia, Q., et al.: "Expression of Brain-derived Neurotrophic Factor in the Central Nervous System of Mice using a Poliovirus-based Vector"Journal of Neurovirology. 8(1). 14-23 (2002)
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[Publications] Ohka, S., et al.: "Recent insights into poliovirus pathogenesis"Trends in Microbiology. 9(10). 501-506 (2001)
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[Publications] Ohka, S., et al.: "Basolateral Sorting of Human Poliovirus Receptor alpha Involves an Interaction with the mulB Subunit of the Clathrin Adaptor Complex in Polarized Epithelial Cells"Biochem Biophys Res Commun. 287(4). 941-948 (2001)
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[Publications] Ohka, S., et al.: "The molecular basis of poliovirus neurovirulence"Dev Biol (Basel). 105. 51-58 (2001)