2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13035025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河崎 洋志 京都大学, 再生医科学研究所, 講師 (50303904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水関 健司 理化学研究所, 発生再生科学総合研究センター, 研究員
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Keywords | 神経分化 / ES細胞 |
Research Abstract |
我々は、これまでに、マウスES細胞を試験管内で神経細胞へと分化させる活性SDIAを見出し、非常に効率よく神経細胞を分化誘導するSDIA法の確立に成功してきた。さらにSDIA法を用いることにより誘導された神経細胞は、約30%がドーパミン産生神経細胞であることを見い出し、これらのドーパミン産生神経細胞は、マウス線条体に移植することにより生着することを明らかにした。今年度は、SDIA、活性が、マウスのみならず霊長類ES細胞をも試験管内で神経細胞誘導しうるか検討した結果、以下の結果を得た。1)SDIA活性は、マウスのみならずサルES細胞も、試験管内でclassIII β-tubulinやNCAM陽性の神経細胞へと分化誘導する。2)神経分化に必要な日数は約3週間であった。これらの結果は、サルと同じ霊長類であるヒトのES細胞からも、SDIA法を用いることにより、試験管内で神経細胞を分化誘導できる可能性を示唆している。また神経細胞を得るための所要日数が3週間と短いことから、SDIA法は再生医学的応用に用いることができる可能性がある。現在は、SDIA法により誘導されたサル神経細胞の領域特異性の検討をすすめている。SDIA法は、神経発生過程の解析や、再生医学即応用に重要な技術である。
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