2001 Fiscal Year Annual Research Report
CNR遺伝子クラスターから生じる分泌型遺伝子産物の探索と機能解析
Project/Area Number |
13035028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱田 俊 大阪大学, 細胞生体工学センター, 講師 (60282349)
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Keywords | 神経科学 / 生理活性 / 遺伝子 / 生体分子 / 脳神経 |
Research Abstract |
カドヘリン型受容体CNRはシナプスに存在するカドヘリンファミリーであるが、予備的検討からCNR mRNAには膜貫通領域や細胞質内領域を欠くような複数のCNR isoformの存在が示唆されていた。本年度はこれらの低分子量で分泌型と想定されるようなCNR isoformについて、1.CNR1 isoform cDNAの塩基配列決定、2.蛋白質レベルでのこれらのisoformを検出するための抗体の作成を行った。(方法と結果)CNR1 isoform cDNAの塩基配列決定 CNR1の転写開始点からpoly A付加シグナルの直上までを増幅するprimer pairを用い、マウス脳の各領域から抽出したRNAに対してRT-PCR法を行った。得られたPCR産物のうち、膜結合型CNR1(CNR1-Aおよび-B型)より低分子の産物を100クローン以上をクローン化した。得られたクローンの全てについて全塩基配列を決定したところ、これらのクローンは複数種のCNR1 isoformから構成され、これらのCNR1 isoformの大部分は膜貫通領域を欠失していることが確認された。抗体の作成CNR1のアミノ末端15残基を抗原ペプチドとし、ラットに免疫しCNR1蛋白質と反応するモノクロナール抗体4F11を得た。また同じ抗原を用いてウサギに免疫しポリクローナル抗体を得た。4F11は免疫染色、ウェスタンブロットに使用可能であり、ポリクローナル抗体はさらに免疫沈降法に使用可能であることが明らかになった。 (考察など)RT-PCR法によりみいだされた複数のCNR1 isoformが脳内で実際に蛋白質として存在するのかまだ明らかになっていない。今後、作成した抗体を用いて免疫沈降法を行い検討する。存在するのであれば生理活性についても神経細胞培養系など用いて検討していきたい。
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[Publications] Hamada, S., Yagi, T.: "The cadherin-related neuronal receptor (CNR) family : a novel diversified cadherin family at the synapse"Neuroscience Res.. 41. 207-215 (2001)
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[Publications] Yamazaki Y, Makino H, Hamaguchi-Hamada K, Hamada S, Sugino H, Kawase E, Miyata T, Ogawa M, Yanagimachi R, Yagi T.: "Assessment of the developmental totipotency of neural cells in the cerebral cortex of mouse embryo by nuclear transfer"Proc Natl Acad Sci U S A. 20;98(24). 14022-14026 (2001)