2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13035033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
西井 淳 山口大学, 理学部, 助教授 (00242040)
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Keywords | エネルギー効率 / 歩行パターン / リーチング運動 |
Research Abstract |
本年度は,生体の歩行運動および腕のリーチング運動が、エネルギー効率に関して最適な運動であるかどうかを考察するため、以下を行なった。 ・多足歩行動物の歩行運動の最適性を検討するため、歩行時に足を動かすために必要な消費エネルギーをロボティクス的手法により見積もり、数理モデルとして定式化した。それにより消費エネルギーを最小にする歩行パターンを求めた結果は、多足歩行動物の歩行時における足の振り巾や足の運動周期等に関する多くの特長と一致した。すなわち、多足歩行動物の歩行パターンはエネルギー消費を最小にするものであると考えられる。また、多足歩行動物の歩行において、ギャロップ・トロット等の特定の歩行パターンのみが観察される要因は、歩行中に接地している足の本数が各時刻において異なる整数値をとることにあることを明らかにした。 ・一秒間で2点間を運動するような腕の一関節のリーチング運動において,消費エネルギーを最小にする運動軌道を計算により求めた。その結果得られた軌道の速度変化は半円型となり、人のリーチング運動の速度変化の特長であるベル型とは異なるものであった。すなわち人のリーチング運動はエネルギー消費の観点からは最適とは言えないことになる。人のリーチング運動が、消費エネルギーを最小にする軌道を選ばない理由は何かを考察していくことが今後の課題である。
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Research Products
(1 results)