2001 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞応答過程における抑制型Fc受容体の発現制御機構とその役割に関する研究
Project/Area Number |
13037002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小野 栄夫 愛媛大学, 医学部, 助教授 (20302218)
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Keywords | Fc受容体 / B細胞 / 免疫応答 / 自己免疫疾患 / 連鎖解析 |
Research Abstract |
平成13年度は,B細胞の免疫応答過程における抑制性Fcレセプター(FcγRIIb)の遺伝子発現制御に関する研究を行った. 以前に,マウスFcγRIIB遺伝子にはLy17.1とLy17.2のアロタイプを表現するallelismがマウス系統の中に存在し,Ly17.1とLy17.2のheterozygoteマウスを用いた解析から,Ly17.1のみがリンパ濾胞の胚中心(GC)のB細胞においてdownregulationされることを見出した.さらに本研究の当初には,Fas遺伝子欠損による自己免疫性のB細胞応答過程においては,Ly17.1を発現しても,加齢に伴ってdownregulationするマウス系統(MRL/1pr)としない系統(C3H/1pr)が存在することを見出した.すなわち,FcγRIIB遺伝子以外において,本遺伝子の発現を支配する多型遺伝子の存在が想定された.また,両系統マウスの交配実験で,FcγRIIB発現を規定する遺伝子は常染色体劣性遺伝形式をとることが分かった. 我々は,FcγRIIB遺伝子の発現の制御に関わる劣性遺伝子を明らかにする目的で,両系統マウスの交配で得たF2マウスをマイクロサテライトマーカーを用いた連鎖解析に供し,FcgRIIbのdownreulationに有意(P<0.0001)に相関する染色体領域を,5番染色体D5Mit233近傍の10cMの範囲に絞り込んだ.その領域に含まれる位置的候補遺伝子の多型を現在解析中である.中でもCD38遺伝子は,この領域に位置しており,CD38が記憶B細胞の分化・維持に何らかの機能を果たすことが想定され,FcγRIIbの発現制御との関連に興味が持たれたが,タンパク翻訳領域に多型は見出されないことは明らかにしている.
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