2001 Fiscal Year Annual Research Report
眼球運動制御に関わる脳幹-小脳神経回路の可塑的調節
Project/Area Number |
13041004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩本 義輝 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (50184908)
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Keywords | 小脳 / 可塑性 / サッケード |
Research Abstract |
目標点に向かう正確な視線移動を制御するサッケード系には、視覚誤差に基づいて系のゲインを変化させていく運動学習(サッケードゲイン適応)の機構が備わっている。本研究の目的は、サッケードゲイン適応に際して小脳を中心とする神経回路のどこに可塑的変化が起こり、小脳出力信号がどのように変化するかを明らかにすることである。 本年度は、小脳出力部位である室頂核の活動の適応に伴う変化を解析した。ムシモールによる室頂核の不活性化実験の結果から、室頂核ニューロンのサッケードに関連したバースト活動は同側へ向かうサッケードの振幅を小さくするように働くと考えられた。従って、室頂核が適応に関与するならば、サッケードゲインの減少を誘発した際に同側の室頂核バースト活動が増加することが予想された。この予想を実験的に検証した。5個の室頂核バーストニューロンについて、適応前後の活動を比較したところ、サッケードゲインの減少に対応してバースト活動の増加が認められた。活動増加は、サッケード開始時点の約30ミリ秒前から約20ミリ秒後の期間で認められた。適応の全経過にわたってサッケードゲインの減少量とニューロン活動の増加量はよく似た時間経過で変化し、両者の間には有意な相関があった。以上の結果は、小脳室頂核の活動変化がサッケードゲイン適応の原因であることを示唆する。今後は、可塑的変化の起こる部位の確定とともに小脳信号が運動指令を修飾する機構の解明に向けて実験を進める予定である。
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Research Products
(1 results)