2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13041066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
窪田 芳之 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (90192567)
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Keywords | 大脳皮質 / マイクロサーキット / 非錐体細胞 / シナプス / 3次元再構築 / GABA |
Research Abstract |
本研究では、生理的形態的に同定された大脳前頭皮質の非錐体細胞の各タイプに関して、神経終末を電子顕微鏡で連続で観察撮影し、3次元再構築画像解析システムで、その立体像を作成し解析する。ラットを実験動物に用い、前頭皮質のスライスを作成し、非錐体細胞と思われる神経細胞を選び、ホールセル記録をとり、バイオサイチンを電極を通じてその神経細胞に注入した後、スライスを固定した。次に、ABC液で反応した後にDAB染色を施し注入神経細胞を茶色く染色し、電子顕微鏡解析用にエポンで包埋した。こうして注入記録した大脳皮質の各種非錐体細胞ごとに軸索部分を電子顕微鏡で観察した。連続超薄切片上で後シナプス樹状突起(棘突起)を追い、連続画像を電子顕微鏡に装備した高解像度CCDカメラでワークステーションに入力し、3次元再構築画像解析ソフトで前・後シナプス要素の3次元像を再構築することで形態的に解析した。その結果、fast-spikingバスケット細胞とnon-fast spiking-ダブルブーケ細胞の神経終末のターゲットは、主に樹状突起、わずかに棘突起、細胞体であったが、non-fast spiking-マルチノッティ細胞とlate-spiking-ニューログリアフォーム細胞は、より細い樹状突起と棘突起の頭部、細胞体であった。これらの棘突起頭部には、ほとんどの場合別の非対称性神経終末が入力していた。上記4種類の非錐体細胞の神経終末が形成するシナプス結合部位の面積は、シナプスを受ける樹状突起・棘突起の周径や体積に比例して増加したが、その比例係数はサブグループで異なっていた。以上の点から、これらのサブグループのシナプス後細胞への抑制作用は異なると推測している。
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