2004 Fiscal Year Annual Research Report
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13043003
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
古関 明彦 独立行政法人理化学研究所, 免疫器官形成研究グループ, グループディレクター (40225446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 岳彦 国立大学法人信州大学, 医学部附属病院, 講師 (90262708)
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Keywords | ポリコーム群 / Ring1B / X染色体 / ヒストンH2A / ユビキチン化 / MBLR / E2F6複合体 / マウス |
Research Abstract |
ポリコーム群のひとつであるRing1B (Rnf2)のコンディショナル変異を作成し、X染色体不活性化へのインパクトを解析した。Ring1Bを欠損した雌ES細胞を分化させると、不活性化されるX染色体上に、Ring1Bを含むポリコーム群複合体が集積し、ほぼ同時にヒストンH2Aのモノユビキチン化がおこる。この観察およびRing1BがRINGフィンガー構造を有していることから、Ring1BにE3リガーゼ活性があると推定し、解析した結果、Ring1B欠損ES細胞におけるヒストンH2Aのモノユビキチン化レベルは顕著に低下していることが明らかになった。また、Ring1A/B二重欠損胎児性繊維芽細胞では、不活性化X染色体におけるヒストンH2Aモノユビキチン化がなくなったことから、構造的に類似したRing1A/Bは、E3リガーゼとして作用することが示された。一方,Ring1B結合タンパクとして我々が同定したMBLRは、いわゆるポリコーム群複合体には構成的には含まれないが、それと類似したE2F6複合体の構成成分としてRing1A/Bとともに同定された。MBLRを欠損したマウスにおいては、雌特異的な致死性が観察され、その表現型は、胎盤を野生型細胞に置換することによって回避された。このことから、MBLRは、胎盤におけるX染色体不活性化に重要な役割を果たすことが示唆された。これらの実験事実は、Ring1A/BはMBLRとの会合を介して、X染色体不活性化の維持に寄与する可能性を示唆する。
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