2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13043006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東江 昭夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90029249)
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Keywords | 26Sプロテアソーム / ユビキチン / M期後期開始 / 出芽酵母 / RPN9 / 蛋白質分解 / G2 / Mアレスト |
Research Abstract |
出芽酵母の26Sプロテアソームは細胞内蛋白質分解の主要な酵素で、ポリユビキチン化された蛋白質をユビキチン鎖を認識して標的蛋白質を分解する。触媒中心を含む20Sプロテアソーム(20S CP)は中空のシリンダー状の構造をしていて、内部に活性中心がある。シリンダーの両端に19S調節因子(19S RP)が会合したものが26Sプロテアソームである。19S RPも多数のサブユニットから成る蛋白質複合体であり、それが果たす調節機能には基質の認識、選別、20S CPの酵素活性の制御が含まれることは明らかであるが、分子機構は今後明らかにしなければならない。我々は、19S RPの機能解明にサブユニット遺伝子の変異体が有用であろうとの考慮から、多数の変異体を分離し、それらの表現型の解析を行ってきた。本年度はそのうち一つの変異体rpn9Δが示す細胞周期制御異常について解析した。rpn9Δは温度感受性増殖を示し制限温度下でG2/Mアレストを起こすことが分かっていたが、アレストの時点をさらに詳しく調べるために、第5番染色体のセントロメア付近にlacOを埋込み、GFP-LacIを発現させ、染色体を可視化した細胞についてrpn9Δ変異の表現型を調べた。その結果、制限温度下でrpn9Δ細胞では姉妹染色体の分離が起こらず、M期中期でアレストしていることがわかった。中期から後期への移行にはユビキチン・プロテアソーム系によるPds1の分解-Esp1の活性化-コヒーシンの分解と続き、姉妹染色体の分離に至ることが知られている。そこで、Pds1の分解について調べたところrpn9Δ細胞ではPds1の分解が低下していた。しかし、rpn9Δ pds1D二重変異株は制限温度下でわずかに姉妹染色体の分離が起こっていたが、ほとんどの細胞で中期アレストは解除されなかった。rpn9Δ細胞におけるコヒーシンサブユニットScc1の分解を調べたところ、温感受性を示し、Scc1を人為的に分解するとrpn9Δ細胞は制限温度下でも後期に進むので、rpn9Δ変異の原因はPds1の分解のステップにあり、恐らく分解のタイミングが重要であると思われる。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Intracellularly inducible, ubibquitin hydrolase-insensitive tandemubiquitin inhibits the 26S proteasome activity and cell division.2004
Author(s)
Saeki, Y., Isono, E., Oguchi, T., Shimada, M., Sone, T., Yokosawa, H., Toh-e, A.
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Journal Title
Gene.Genet.Sys. 79
Pages: 77-86