2003 Fiscal Year Annual Research Report
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13043029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
滝澤 温彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60154944)
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Keywords | DNA複製制御 / S期CDK / アフリカツメガエル / 無細胞複製系 / Cut5 / Dpb11 / 複製チェックポイント / MCM / Cdc45 |
Research Abstract |
アフリカツメガエル卵無細胞複製系を用いて次の研究成果を得た。 新規複製因子GINSの機能:複製開始に必要な新規因子として同定した4種類の蛋白質(Sld5-Psf1-Psf2-Psf3)からなるGINS(go-ichi-ni-san)複合体の機能の解析を行った。GINSは酵母からヒトまで高度に保存されており、アフリカツメガエルGINSは染色体DNA複製開始に必要であり、preRCとS期CDKに依存し、かつCdc45と相互に依存して染色体に結合する。また、染色体結合したGINSはCdc45やMCMと共沈降することから、物理的な相互作用をしている事が示唆された。さらに、アフリカツメガエルの組換えGINS複合体の構造を電子顕微鏡で調べたところ、リング状構造をしている事が解った。これらの結果は、GINSがPCNAと同様に複製装置をフォークにとどめるクランプの働きをしてしる可能性があり、複製装置の形成とおそらく維持に必須な新規因子である事を示している。 アフリカツメガエルCut5/Dpb11の機能:複製開始とチェックポイントに働いている酵母Dpb11/Cut5のカエルホモログを同定した。カエルホモログはヒトTopBP1と高い相同性を示し、卵抽出液の系で複製開始に必要であるが、複製の伸長反応には必要とされない。またカエルCut5/Dpb11の染色体結合はS期CDKの作用に必要であり、Cdc45はカエルCut5/Dpb11及びCDKに依存して染色体に結合する事を明らかにした。さらに、カエルCut5/Dpb11が複製チェックポイントにも必要である事を見出した。これらの結果は、真核生物Cut5/Dpb11が複製開始とチェックポイント制御に普遍的な役割を果たしている事を示している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masuda, T., Mimura, S., Takisawa, H.: "CDK- and Cdc45-dependent priming of the MCM complex on chromatin during S-phase in Xenopus egg extracts."Genes Cells. 8. 145-161 (2003)
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[Publications] Kubota, Y., Takase, Y., Komori, Y., Hashimoto, Y., Arata, T., Kamimura, Y., Araki, H., Takisawa, H.: "A novel ring-like complex of Xenopus proteins essential for the initiation of DNA replication."Genes & Dev.. 17・3. 1141-1152 (2003)
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[Publications] Hashimoto, Y., Takisawa, H.: "Xenopus Cut5 is essential for a CDK-dependent process in the initiation of DNA replication."EMBO J.. 22・10. 2526-2535 (2003)
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[Publications] Kubota, Y., Takisawa, H.: "Block to DNA replication in meiotic maturation : a unified view for a robust arrest of cell cycle in oocytes and somatic cells."BioEssays. 25・4. 313-316 (2003)
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[Publications] 久保田弓子, 吉田真和, 滝澤温彦: "DNA複製・修復がわかる 基本編2章 DNA複製のライセンス化"羊土社. 9 (2004)