2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13043052
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
戸所 一雄 理化学研究所, 分子細胞生物学研究室, 副主任研究員 (80172170)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
草野 賢一 理化学研究所, 分子細胞生物学研究室, 基礎科学特別研究員 (50332276)
|
Keywords | 蛋白質分解 / 細胞分裂 / ユビキチン / キネトコア |
Research Abstract |
分裂期の染色体キネトコアouter plateに局在するリングフィンガー蛋白質RFG1がユビキチンリガーゼ活性を持っていることから、染色体分配やスピンドルチェックポイントの制御に関わっている可能性を前回報告した。本年度はそのターゲット蛋白質の同定をtwo hybridやプルダウン実験によって試みたが今のところ成功していない。P. Jacksonの協力を得てEmi1がターゲットになっている可能性を調べたが、弱くユビキチン化したものの、変異体や野生型蛋白質の強制発現によるフェノタイプが完全に一致しなかった点と、JacksonがSCFによって分解される可能性を生化学的に示したことから、RFP1はEmi1をターゲットにしていないと結論した。現在さらにターゲット因子の検索を続けている。 タグ付き蛋白質の発現ライブラリーの強制発現による蛋白質の局在による細胞分裂制御因子の探索によって、今回新たな因子PASを単離同定した。PCNA binding motifを持ち、anaphase promoting complex/cyclosome(APC/C)によってユビキチン化されるmotifとして認識されているKEN boxとD boxの両方を持った因子の遺伝子を単離した。この因子は確かにAPC/Cで明らかにユビキチン化されると共に、間期においてはPCNAと結合していることが確認した。単に染色体の複製に必要な因子が分裂期においてAPC/Cによって分解されるだけのことではなく、この因子をsiRNAで欠失するとprometaphaseで停止する。分解できなくすると細胞質分裂で異常を来す。この因子は染色体複製や染色体cohesionに機能しており、分裂期においても何らかの役割を担っており、分解されることが細胞周期の進行において重要な役割を担っていることが示された。現在このPASの生理機能とPCNA以外の結合蛋白質の同定を行っている。 セントロメア蛋白質CENP-Hの機能解析に関しては、CENP-Iとの結合がキネトコア形成に重要であることを報告したが、今回は、機能的なセントロメア領域のおける転写制御を明らかにした。
|