2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13043057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
稲垣 昌樹 愛知県がんセンター, 発がん制御研究部, 部長 (30183007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 浩一 愛知県がんセンター, 発がん制御研究部, 室長 (50252143)
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Keywords | Aurora-B / ヒストンH3 / Cdc2キナーゼ / PP1 / ビメンチン / リン酸化反応 |
Research Abstract |
今回、我々は、哺乳類細胞においては、Aurora-BがヒストンH3のセリン10だけでなくセリン28もリン酸化していることを明らかにした。また、分裂期に入る以前のG2期においては、セリン28はPP1によって脱リン酸化状態に保たれていることが判明した。セリン28のリン酸化反応の生理的意義については不明な点が多いが、セリン10のものと異なり分裂期にのみ認められている現象であるので、この反応が染色体凝縮の開始時期を決めている因子の一つではないかと考えられる。以前、分裂期開始キナーゼであるCdc2キナーゼがPP1をリン酸化することによって、分裂期におけるPP1の活性を抑制しているということが報告されている。つまり、Cdc2キナーゼが、Aurora-Bによるセリン28のリン酸化反応を間接的に制御することによって、染色体凝縮の開始を制御しているというモデルが考えられる。今後、このモデルについて詳細な検討が必要と考えられる。さらに、Aurora-Bが分裂期後期から終期にかけて分裂溝特異的なビメンチンのリン酸化反応を制御している可能性を示した。Aurora-Bはin vitroにおいてセリン72以外にも多数の部位をリン酸化しうる。そのため、これらリン酸化部位をすべて解析し、他の部位のリン酸化反応も分裂溝特異的に起こっているか確認する必要がある。上記の解析にて、Aurora-Bが直接的分裂溝特異的にビメンチンをリン酸化している可能性が高まれば、これらリン酸化部位をリン酸化されないアミノ酸残基に置換した場合のビメンチンフィラメントの分配及び細胞分裂に及ぼす影響を検討する必要がある。これらの研究成果をもとに、最終的には、癌細胞においてこれら制御機構が破たんしているかについて検討していく必要がある。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tsuiki, H., et al: "Mechanism of hyperploid cell formation induced by microtubule inhibiting drug in glioma cell lines"Oncogene. 20. 420-429 (2001)
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[Publications] Inada, H., et al: "Keratin attenuates tumor necrosis factor-induced cytotoxicity through association with TRADD"J. Cell Biol. 155. 415-425 (2001)
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[Publications] Nagata, K., et al: "A decade of site-and phosphorylation state-specific antibodies : recent advances in studies of spatiotemporal protein phosphorylation"Genes to Cells. 6. 653-664 (2001)
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[Publications] Goto, H., et al: "Aurora-B phosphorylates histone H3 at serine28 with regard to the mitosic chromosome condensation"Genes to Cells. (in press).
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[Publications] Goto, H., et al: "Phosphorylation and reorganization of vimentin by p21-activated kinase(PAK)"Genes to Cells. (in press).
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[Publications] Izawa, I., et al: "Densin-180 interacts with δ catenin/neural plakophilin-related armadillo-repeat protein at synapses"J. Biol. Chem.. (in press).
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[Publications] 井澤一郎, 稲垣昌樹: "Vascular Biology ナビゲーター"メディカルレビュー社. 42-43 (2001)