2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13044001
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
野地 澄晴 徳島大学, 工学部, 教授 (40156211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 光泰 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (40237996)
赤坂 甲治 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60150968)
佐藤 ゆたか 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40314174)
倉谷 滋 理化学研究所, 発生再生科学・総合研究センター, チームリーダー (00178089)
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Keywords | 発生 / 進化 / コオロギ / カメ / ウニ / ホヤ / 遺伝子 / ヒメツリガネゴケ |
Research Abstract |
野地らは,昆虫,ホヤ,ウニ,カメ,植物について,その発生システムの構造と進化のメカニズムを調べている。昆虫においては,長胚型の昆虫であるショウジョウバエで得られた情報を基礎に,中胚型の昆虫であるコオロギについてその発生のメカニズムについて調べた。特に、RNAi法によりハッチバック遺伝子機能の解析を行い,顎から胸部の体節が欠損することがわかった。これらの結果,ショウジョウバエと同じ遺伝子が発生に関与しているが,パターン形成のメカニズムはハエの場合と異なることがわかった。佐藤らは,比較的原始的な体制をもつ脊索動物であるホヤを用い、全遺伝子の85%以上を含むcDNA資源を整備した。また、EST/cDNAおよびドラフトゲノム配列をもとにホヤの発生関連遺伝子を網羅的に同定し、原始脊索動物から脊椎動物の進化に至る過程での遺伝子変化について多くの知見を得た。これらの資源・情報は今後の研究の重要な基盤となった。倉谷らは,カメの甲パターニングにおいて中心的機能を持つといわれる甲稜をスッポン胚において除去したが、甲が正常に発生することを確認、一方で、スッポン咽頭胚の甲稜と外側体壁を切り分け、mRNAを抽出、Megasort法を用いて、甲稜特異的に発現する遺伝子の候補を15選び、そのうち2つが甲稜特異的に発現することを確認した。赤坂らは,最も起源が古い新口動物であるウニについて研究した。今年度は、T-brainホモログが(1)胞胚期の小割球由来細胞特異的に発現し、小割球由来細胞の原腸陥入誘導能にかかわる転写因子であること、(2)Wntシグナル伝達系路の下流にあり、Etsに支配されること、(3)小割球由来細胞に隣接する細胞を誘導して、口側・反口側軸誘導のシグナル伝達を間接的に支配することを示した。長谷部らは,ヒメツリガネゴケESTデータベースを構築しMADS-box遺伝子関連遺伝子を探索した。データベース検索などによりコケ植物より従来報告されていたものとは異なった構造を持つ新規MADS-box遺伝子を発見した。他の植物での解析も加えこの群の遺伝子は緑藻、陸上植物において広く卵精子形成時に発現していることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fuchikami, T.: "T-brain homolog(HpTb) is involved in the archenteron induction signals of micromere descendant cells in the sea urchin embryo"Development. 129. 5205-5216 (2002)
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[Publications] Henschel, K.: "Two ancient classes of MIKC-type MADS-box genes are present in the moss Physcomitrella patens"Mol. Biol. Evol.. 19. 801-814 (2002)
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[Publications] Shigetani, Y.: "Heterotopic shift of epithelial-mesenchymal interactions for vertebrate jaw evolution"Science. 296. 1319-1321 (2002)
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[Publications] Satou Y.: "A cDNA resource from the basal chordate Ciona intestinalis"Genesis. 4. 153-154 (2002)
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[Publications] Mito, T.: "Involvement of hedgehog, wingless, and dpp in the initiation of proximodistal axis formation during the regeneration of insect legs, a verification of the modified boundary model"Mech. Dev.. 114. 27-35 (2002)
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[Publications] Zhang, H.: "Extrachromosomal transposition of the transposable element Minos in embryos of the cricket Gryllus bimaculatus"Dev. Growth Differ.. 44. 409-417 (2002)