2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13045020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 洋 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60303806)
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Keywords | 神経冠 / ナメクジウオ / ホヤ / ニワトリ / Hox / AP-2 |
Research Abstract |
神経冠の進化は、全く新しい細胞タイプが生み出されたのではなく、起源細胞が移動能や前後軸に沿った位置価といった性質を新たに獲得したことで奉らると考えられる。まず、前後軸に沿った位置価の獲得がどのような分子的な背景を伴って進化してきたかについて調べた。これまでにナメクジウオのHoxlの3'側に、脊椎動物に導入するとレチノイン酸に応答し、神経管及び神経冠での発現を活性化するエンハンサーを見いだしている。その活性を、短く特定し、そのエンハンサー活性に関わっているトランスの因子を明らかにしようとした。ナメクジウオHox1の発現に関わっていると考えられる3'側約2.7kbのゲノムDNAを、まず制限酵素サイトを用いて大きく3つの領域に分けて、それぞれの神経管及び神経冠での発現に関する活性について調べた。3'側約1kbには複数個のレチノイン酸レセプターの結合コンセンサス配列、AP-2結合コンセンサス配列を含み、この領域に神経管と神経冠での発現を活性化するエレメントが存在していることがわかった。また、マウスではHoxa2の神経管での発現にAP-2が関与していることが知られている。このAP-2のホヤでの発現を調べたところ、ユウレイボヤCiona intestinalisとマボヤHalocynthia roretxiのいずれの種でもその発現は主に表皮で観察された。マボヤのHox1は表皮において明確な前後軸に沿った境界を持つ発現を示す。また、ナメクジウオのHox1についても同様の発現が表皮で見られる。上記のナメクジウオ由来のエレメントのAP-2結合コンセンサス配列の神経冠細胞の発現との関与が示されたとすると、ナメクジウオやホヤにおいてHox1の表皮での発現に関わっていたAP-2が脊椎動物で神経管での限局した発現をするようになり、Hox遺伝子の神経冠での発現が進化したと推測することができる。
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Research Products
(1 results)