2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13119201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (B)
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
柿沼 喜己 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80134394)
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Keywords | 酵母 / 液胞 / トランスポーター |
Research Abstract |
酵母液胞輸送系の解析を通じて、植物液胞における多様な代謝物輸送系の働きを分子レベルより理解する上で有益な情報を取得することを目的とし、本年度は、液胞トランスポーター遺伝子の同定を進めた。 酵母液胞には、塩基性アミノ酸や疎水性アミノ酸など少なくとも7種類のアミノ酸トランスポーターの存在が酵素学的性質より指摘されているが、分子・遺伝子の同定はまったく行われていない。機能未同定のものを含んで二次性トランスポーターに該当する遺伝子産物のアミノ酸配列の類似性を調べ、解析ソフトにより家系樹を作成した結果、いくつかのサブファミリーに分類できることがわかった。その中では、液胞ポリアミントランスポーターファミリTP01,TP02,TP03,TP04などもファミリーを形成していることがわかった。 液胞アミノ酸輸送系はいずれもその能動輸送の駆動力はV-ATPaseによって形成されるプロトントン駆動力であることが明らかになっている。V-ATPaseの欠損変異株を用いて、生細胞を用いた系でアミノ酸の取り込みを調べた結果、V-ATPaseの欠損株ではほとんどのアミノ酸の取り込みが顕著に低下しており、発芽酵母細胞によるアミノ酸の取り込みのほとんどは、液胞への蓄積を反映している可能性が示唆された。この結果より、液胞アミノ酸取り込み活性を欠損を調べるために、生細胞によるアミノ酸の取り込みの有無を一次スクリーニングとして用いることができると考えられた。 この系を用いて機能未知の二次性トランスポーター遺伝子の破壊株を購入し、各アミノ酸の取り込み活性を調べた結果、YCL069W遺伝子産物はアルギニンの取り込み,YBR293Wはリジンのとりこみ,YMR119Wはヒスチジンの取り込みに、主に関わっていることが推定され、次年度におこなう液胞膜小胞を用いた直接解析の足がかりを築くことができた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tomitori, H., Kashiwagi, K., Asakawa, T., Kakinuma, Y., Michael, AJ., Igarashi, K.: "Multiple polyamine transport systems on the vacuolar membrane in yeast"Biochemical Journal. 353. 681-688 (2001)