2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13120201
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
松居 靖久 大阪府立母子保健総合医療センター研究所, 病因病態部門, 部長 (40241575)
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Keywords | 始原生殖細胞 / サブトラクション / エピブラスト / mil-1 / mil-2 / BMP4 / Smad5 |
Research Abstract |
始原生殖細胞の形成を制御する遺伝子を同定する目的で、移動期始原生殖細胞と胚盤胞を用いてサブトラクションcDNAスクリーニングを行い、前者で特異的に発現する遺伝子として、インターフェロン誘導性膜蛋白質遺伝子ファミリーの2種類の遺伝子mil-1,mil-2を同定した。今年度は、これらが形成期とそれ以降の始原生殖細胞で特異的かつ差時的に発現すること、またもう一つの類似遺伝子mil-3とともに、約60Kbpの染色体領域に並んで存在することを見いだした。さらにmil-1の始原生殖細胞特異的な発現制御機構を解明する目的で、mil-1遺伝子の5'上流領域をGFP遺伝子につないだものでトランスジェニックマウスを作製した。その結果、始原生殖細胞での特異的なGFPの発現を確認することに成功し、この領域内に制御領域が存在することが明らかとなった。また、マウスエピブラストからの始原生殖細胞形成を再現できる初代培養系を用いて、本年度は5.25-5.5日胚で、胚体外外胚葉の作用により、エピブラストに、増殖因子BMP4に対する細胞内伝達分子であるSmad5の発現が誘導されることにより、エピブラストが始原生殖細胞形成に必要なBMP4シグナルへの反応性を獲得することを明らかにした。またこの反応性が6.0日胚以降、予定始原生殖細胞領域であるエピブラスト基部にのみ維持されることを明らかにし、エピブラストが胚体外外胚葉からのシグナルに対する反応性を段階的に変化させることにより、始原生殖細胞の形成に向かうことを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamamoto, M.: "Testis-specific expression of a novel mouse defensin-like gene, Tdl"Mechanisms of Development. 116. 217-221 (2002)
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[Publications] Nakamura, Y.: "Introduction and expression of foreign genes in cultured embryonic gonads"Reproduction, Fertility and Development. 14. 259-265 (2002)
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[Publications] Tanaka, S.S.: "Developmentally regulated expression of mil-1 and mil-2,mouse interferon-induced transmembrane protein like genes, during formation and differentiation of primordial germ cells"Mechanisms of Development. (印刷中).
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[Publications] Sato, S.: "Erasure of methylation imprinting of Igf2r during mouse primordial germ-cell development"Molecular Reproduction and Development. (印刷中).
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[Publications] 松居靖久: "動物発生工学"朝倉書店. 270 (2002)