2002 Fiscal Year Annual Research Report
超小型薄層ゲル電気泳動を用いるオンサイト環境曝露評価マイクロシステムの開発
Project/Area Number |
13124201
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
梅村 知也 群馬大学, 工学部, 助手 (10312901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 賢慈 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00321901)
伊永 隆史 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30124788)
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 教授 (30175468)
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Keywords | マイクロチップ / 環境分析 / 電気泳動 / タンパク質 / プロテオーム解析 / ナイロン糸ゲル / オンサイト分析 / 内分泌かく乱化学物質 |
Research Abstract |
前年に引き続いて、ミニチュアスラブゲル電気泳動技術とラボオンチップ・デバイス技術を利用・融合して、高度な生物・環境化学分析をマイクロチップ上で実現させるための技術基盤を築くとともに、実試料を用いてその有用性を評価検討した。 1)ミニチュアSDSアクリルアミドゲル電気泳動装置の開発と評価 分離の高性能化におけるダウンサイジングの有効性を検証するため、通常装置を小型化した電気泳動装置を試作し、通常サイズの装置と比較検討した。その結果、5cm角、厚さ200μmの薄型スラブゲルの利用と高電圧の印加により、分離性能を損なうことなく、試料量や分析時間を従来の5分の1以下にまで短縮できることを示した。 2)ナイロン糸を支持体とする等電点電気泳動の開発と評価 二次元ゲル電気泳動法の高性能化においてボトルネックとなっている一次元目の等電点電気泳動に関して、ナイロン糸をゲルの支持体として利用するLoose multifilament strings Gel(LMS-Gel)を考案、開発した。このLMS-Gelでは、機械的強度が高いため、これまでは困難とされた3%T以下の極めて低濃度のキャピラリーゲルの作製が可能となる。その結果、ゲル内でのタンパク質の移動効率が各段に改善され、高効率かつ高速での分離が可能となった。さらに従来課題とされてきた高分子量のタンパク質の分離に有効であるという知見を得た。また、操作性や再現性も格段に向上するという成果を得た。 3 ディーゼル排ガス中粒子状物質測定マイクロチップの開発 多孔質ガラスを用いたガス吸収機能、蛍光試薬との化学反応機能、さらにもう一段pH調整機能をチップ上に集積化した高機能デバイスを開発、最適化し、大気中の二酸化窒素濃度をリアルタイムで高感度に連続測定することを可能とした。本法は、試薬等を変更することにより、大気中のさまざまな有害気体成分の定量への適用が可能であると考えられ、気体試料の簡易的な測定法として非常に有望である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Umemura, Y.Kasuya, T.Odake, K.Tsunoda: "Sensitive Measurement of Methylene Blue Active Substances by Attenuated Total Reflection Spectrometry with a Trimethylsilane-Modified Glass Slab Optical Waveguide"Analyst. 127. 149-152 (2002)
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[Publications] H.Takiguchi, T.Odake, T.Umemura, K, Tsunoda: "Development of Liquid/Liquid Optical Waveguide Using a Two Phase Sheath Flow and its Application to Fluorescent Determination of Rhodamine B"Micro Total Analysis Systems 2002. 1. 278-280 (2002)
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[Publications] Y.Yang, X.Zhang, T.Korenaga: "Distribution of Polynuclear Aromatic Hydrocarbons (PAHs) in the Soil of Tokushima, Japan"Water, Air, and Soil Pollution. 138. 51-60 (2002)
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[Publications] M.Helaleh, S.Ngudiwaluyo, T.Korenaga, K.Tanaka: "Development of Passive Sampler Technique for Ozone Monitoring. Estimation of Indoor and Outdoor Ozone Concentration"Takanta. 58. 649-659 (2002)
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[Publications] 伊永隆史: "ラボオンチップ環境計測システムの創成と応用"ぶんせき. 5. 233-237 (2002)
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[Publications] 伊永隆史: "簡易分析法-大気分析"ぶんせき. 8. 424-429 (2002)