2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13126207
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
相田 隆司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00262262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新山 浩雄 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (70016533)
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Keywords | 化学工学 / 触媒・反応プロセス / 反応・分離工学 / 部分酸化反応 / 非定常操作 / 酸化物触媒 / 低級パラフィン / 酸化・還元 |
Research Abstract |
昨年度まではBi-P-O系触媒を用いたプロピレンの酸化的二量化反応の周期的濃度変動操作を行った.プロピレン供給初期においてベンゼンや1,5-ヘキサジエンなどが多く生成していることから,触媒の酸化度が高いことがこれらの生成物に有利であることがわかった. 本年度は,同様の実験をV_2O_5系触媒を用いたプロパンの酸化脱水素について行った.まず,V_2O_5単味の触媒においては周期的濃度変動操作により,定常操作の結果を超えるプロピレン収率,選択率が得られた.一方,アルミナに担持したV_2O_5触媒では定常操作の方が周期的濃度変動操作よりも成績が高かった.これらの結果は,反応に関与できる格子酸素の多少が結果に大きく影響したものと思われる.このことから,一般的には周期的濃度変動操作による無気相酸素酸化においては,活性点あたりの活性よりも貯蔵できる酸素量がより重要な因子になることがわかった.また,プロピレンの酸化的二重化との比較においては次の二点で違いが見られた.一点はプロパン供給後,COやCO_2のあとにプロピレンが生じたことである.このことは本反応系では,プロピレン生成に適した触媒酸化度に極大があることを示唆するものである.第二点はプロピレンの酸化的二量化ではプロピレン供給時には温度上昇は見られなかったが酸素供給時には大きな温度上昇(とともにCO_2生成)が見られたのに対し,プロパンの酸化脱水素ではプロパン供給時に温度上昇があり,酸素供給時にはほとんど温度が上昇しなかった(CO_2の生成も見られなかった)ことである.中間生成物の逐次酸化を抑えるためには,温度定常状態にすることが好ましい.このことから,マイクロリアクターの利用を提案した.本マイクロリアクターはマイクロチャンネルを有するアルミ薄板にそれぞれの触媒を塗布し,積層させるものである.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 相田隆司, 牧田隆, 新山浩雄: "周期的濃度変動操作による反応成績の改善:逐次生成する二つの中間体を経由する触媒反応の場合"化学工学論文集. 29. 368-373 (2003)
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[Publications] 金成益, 相田隆司, 新山浩雄: "モルデナイトのマイクロ波非定常加熱における水の共存効果"化学工学論文集. 29. 345-350 (2003)
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[Publications] Carja, G., Nakamura, R., Aida, T., Niiyama, H.: "Mg-V-Al mixed oxides with mesoporous properties using layered double hydroxides as precursors : catalytic behavior for the process of ethylbenzene dehydrogenation to styrene under a carbon dioxide flow"J.Catal.. 218. 104-110 (2003)